中古マンション市場における方位と階数の影響
不動産ビッグデータの活用を通じて中古マンションの資産価値を解析している株式会社マーキュリーが、特に注目しているのが「方位」と「階数」です。近年、中古マンション市場では価格が上昇する傾向が見られていますが、その要因の一つとして、住戸の方位や階数が挙げられます。今回、当社が行った独自の調査を基に、中古マンションが市場に出た際の売却価格の値上がり率の傾向を詳しく見ていきましょう。
方位による値上がり率の差
まず注目されるのは、方位別の売却価格の値上がり率です。調査結果によると、南向き住戸は一般的に人気が高いとされていますが、実際には北向きや北東向き、北西向きの住戸の方が値上がり率が高いということが分かりました。特に、19階建て以下の物件では、北向きや北東向きの住戸が大幅に価値を上げ、逆に南向きは値上がり率が低い傾向が顕著に見られました。
この結果をタワーマンションに拡張しても、南向きの利益は薄くなり、やはり北向きの部屋の方が優位であるという結果となりました。特に20階以上の物件においても、北向きの部屋は依然として高い値上がり率を示しています。こうした傾向から、北向きの部屋が将来の売却時に有利である理由が浮き彫りになります。
タワーマンションにおける階数の重要性
タワーマンションは全体的に値上がり率が高いですが、階数が高くなるにつれて、南向きと北向きの売却価格の差は縮む傾向にあります。特に40階以上の住戸では、個別の物件の影響が強くなり、方位による価格差が小さくなる傾向が見られます。これにより、上層階の住戸を選ぶことが重要になってきます。
北向き住戸の魅力とは?
では、なぜ北向きの住戸が価格上昇に寄与するのでしょうか。その理由は、新築時において北向きの住戸が安く価格設定されることにあります。一方で、南向きの部屋はデベロッパーによって高値で販売されがちです。しかし、住んでみると北向きの部屋は換気や気密性の良さから、実際には住みやすいことが実証されています。このため、中古流通時には南向きと北向きの価格差が少なくなるため、北向きの住戸の値上がり率が相対的に高くなると考えられています。
加えて、新築マンションでは基本的に南向きに建てられる物件が多く、北向きの物件は特に市場での競争において一定の工夫が必要になります。これにより、北向きの住戸には緻密な設計や優れたプランが採用されることが多いのです。
上層階のリセールバリューを考慮して
新築マンションを購入する際には、売却時のリセールバリューを十分に考慮することが重要です。特にタワーマンションにおいては、北向きの住戸や上層階が投資として非常に有利である可能性があります。今後の中古マンション市場における動向を考えると、方位と階数をしっかりと考慮した選択を行うことが求められます。
株式会社マーキュリーは、ビッグデータを基にした不動産マーケティングプラットフォームを提供しており、そのサービスを通じて消費者に対して高品質な情報と選択肢を提供し続けています。私たちの調査を参考に、賢い選択をする手助けとしていただければと思います。