抗悪性腫瘍剤「ベルケイド」が皮下投与の新経路を承認される

ヤンセンファーマが大きな進展を打ち出す



抗悪性腫瘍剤「ベルケイド®注射用3mg」について、皮下投与という新たな投与経路の追加承認が下りました。ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:ブルース・グッドウィン)が製造販売を行っているこの薬剤は、すでに静脈内投与で承認を受けており、患者にとっての治療選択肢を広げることが期待されています。

多発性骨髄腫の新たな治療選択肢



新たに承認を受けた皮下投与の経路でも「多発性骨髄腫」という同じ効能・効果があり、多発性骨髄腫は血液がんの一種です。この病気は、異常な形質細胞が免疫グロブリンを生成し、体内の免疫機能を損なうため、様々な健康問題を引き起こします。特に高齢者に多く見られ、感染症や腎障害、骨折などの症状を伴うことが特徴です。

科学的根拠に基づく承認



今回の承認は、2011年に医療雑誌The Lancet Oncologyに掲載されたMMY-3021第Ⅲ相臨床試験の結果を基にしています。この試験は、222名の患者を対象に行われ、皮下投与群と静脈内投与群の全奏効率は共に42%で非劣性が実証されました。さらに、腫瘍増殖抑制期間においても、皮下投与群が10.4カ月であったのに対し、静脈内投与群は9.4カ月でした。このデータは、皮下投与の有効性を示しています。

安全性と副作用について



両群の安全性プロファイルはほぼ同様でしたが、全グレードの末梢性ニューロパチーの発現頻度については皮下投与群が38%、静脈内投与群が53%と、皮下投与の方が副作用の観点で優れていることが示されました。特にグレード3以上の末梢性ニューロパチーでは、皮下投与群の発現率は6%に対し、静脈内投与群が16%となっており、皮下投与が選択肢として魅力的であることがわかります。

これからの展望



ベルケイドは、プロテアソーム阻害作用を持つ抗悪性腫瘍剤です。この薬は細胞内の不要なタンパク質の分解を妨げ、細胞増殖やアポトーシスにかかわるシグナル伝達を調節します。この効果により、ガン細胞への強力な抗腫瘍作用が発揮されます。

ヤンセンはさらに、現代医療のニーズに応えるべく、様々な疾患に対する革新的な治療法の開発に尽力しています。がん治療における新たな展開は、患者の生活の質を向上させる大きな一歩です。今後もヤンセンの進展に期待が寄せられます。

結論



抗悪性腫瘍剤「ベルケイド」の皮下投与による新たな承認は、治療の選択肢を更に広げ、多発性骨髄腫患者にとって希望の光となるでしょう。今後の医療の発展にも注目が集まります。

会社情報

会社名
ヤンセンファーマ株式会社
住所
東京都千代田区西神田3-5-2
電話番号
03-4411-5046

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