携帯電話の乗り換え実態を探る、複雑な料金プランが障壁に
携帯電話の乗り換え実態と不満の調査結果
株式会社ブランド総合研究所が実施した調査によると、2007年6月から11月にかけての半年間、契約者のわずか4.2%が実際に携帯電話を乗り換えたという結果が明らかになりました。一方で、約12%が乗り換えを考えたものの、手続きの面倒さが理由で踏み切れなかったとしています。
調査の概要
この調査は、2007年11月27日から12月3日までの期間に、16歳から49歳までの携帯電話ユーザー70,000人を対象に実施されました。調査方法はインターネットを用い、回答者から様々なデータを収集しました。調査を実施したブランド総合研究所は、ブランド戦略のコンサルティングに特化した企業です。
乗り換えを検討したが実際には行わなかった理由
乗り換えを考えていた人の多くが手続きを面倒だと感じていることが、調査の結果から明らかになりました。具体的には、調査対象の32.4%が「乗り換えの手続きが面倒」と回答し、次いで29.8%が「メールアドレスが使えなくなる」とし、26.2%が「現在のポイントや特典が使えなくなる」との理由を挙げています。また、料金プランが複雑で理解しにくいとする声も多く、全体の25.7%がこれを理由にあげていました。
料金プランへの関心
新料金プランが2007年秋に導入され、基本料金や通話料が安くなることが期待されていますが、調査では「料金プランが複雑でわからない」との回答が約半数の49.0%に達しました。このことから、現行の料金プランの仕組みが十分に認知されていないことが明らかです。逆に、料金が安くなるプランが望まれているのは32.9%で、従来の購入代金を安くするプランは6.3%にとどまりました。
携帯会社の乗り換え比率
実際に乗り換えたユーザーの選択状況では、NTTドコモからauやソフトバンクへの移行が顕著でした。乗り換え前はNTTドコモのシェアが44.3%だったのに対し、乗り換え後は13.0%に急落。一方、auは20.1%から39.9%に増加し、ソフトバンクも22.4%から31.1%に成長しました。この結果は、携帯キャリア間の競争を浮き彫りにしています。
今後の展望
この調査を通じて、携帯電話会社が乗り換えを促進するためには、手続きの簡素化や料金の明確化が重要であることが示唆されています。また、現在のポイントや特典が維持されることで、顧客の囲い込みが有効となるでしょう。結果として、移動の自由度を高める構造の構築が求められます。消費者がより選びやすい環境を整えることで、将来的により多くの乗り換えが進む可能性があると言えます。今後、携帯電話会社は、消費者にとって分かりやすいサービスを提供することが必要です。
会社情報
- 会社名
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株式会社ブランド総合研究所
- 住所
- 東京都港区虎ノ門1-8-5河野虎ノ門ビル
- 電話番号
-
03-3539-3011