「不登校川柳」受賞作品発表、当事者の心の声
ウェブメディア「不登校オンライン」が主催する《大募集!みんなの不登校川柳》の結果が発表され、見事選ばれた受賞作品たちには、当事者の心からの声が込められていました。
2025年2月の募集では、390句もの応募があり、その中から「不登校の本人」となる162句が審査されました。そして、大賞、優秀賞、佳作が選ばれました。
不登校経験者のリアルな表現
不登校という状況は多くの人にとって未知の世界であり、それゆえに様々な苦しみや葛藤があります。本プロジェクトでは、経験者が自らの思いを五・七・五の形式で表現しました。この形式の中には、彼らが抱えざるを得なかった感情が繊細に描写されており、読む者の胸を打ちます。
受賞作品の中から特に目を引くのは、以下の句です。
大賞作品
学校に行かなくたって成長中
(ペンネーム:アトランティスみゆう)
この句には、中学生の頃の不登校を経て、他の方法で知識を吸収し成長したという想いが詰まっています。大賞を受賞した口述者は、当時の辛さと同時に自分自身が成長していった過程を見つめ直しています。この作品には、三千円分のAmazonギフトカードも贈呈されました。
優秀賞、佳作にも耳を傾けて
受賞作品の中には、他にも数多くの心に響く言葉が散りばめられています。優秀賞には、
正解がわからないのは僕もだよ
(ペンネーム:しゃむさら)
また、多様な心情を表した佳作は、
- - 今何時?まだ夕方かいや朝だ(ケン太郎)
- - 動画見て豆知識だけは増えていき(英単語は覚えられない)
- - 晴れの日も布団の中で雨を聴く(みわ)
- - 将来の夢だけ大きいひきこもり(風吹けば不登校)
- - 「明日こそ」言ったくせして眠れない(烏賊目隠喩)
といった句が並んでいます。
これらの作品から受け取れるのは、不登校の時期に紡がれた「声にならなかった想い」の数々。そして、彼らの体験がどれも否定されるものではなく、むしろかけがえのない人生の一部となっているということです。
編集部からの思い
不登校川柳に込められた「心のつぶやき」を、私たちはしっかりと受け止める必要があります。それは、苦しみだけでなく、「自分らしく生きる」道を探し続けた当事者の姿でもあります。
行けない日が続いた彼らの心には、さまざまな思いや、日々の小さな成長が隠れています。これらの川柳を通じて、彼らと同じように思い悩んでいる方が、「自分だけではない」と感じてもらえれば嬉しいです。
今後も「不登校オンライン」は、皆さまの思いをつなぐ活動を続けていきます。応募した全ての作品は、公式サイトを通じて公開中ですので、ぜひお読みください。
詳細記事については、
こちらを参照してください。また、親や家族の編も受賞作品が特集されておりますので、気になる方は
こちらをご覧ください。