アシストスーツ導入による労働負担軽減
近年、農業や畜産業においても高齢化や女性比率の上昇に伴い、作業にかかる負担が大きな課題となっています。茨城県筑西市に位置する独立行政法人家畜改良センター茨城牧場では、こうした課題に対処するため、最新のアシストスーツを導入しました。製造・販売を手掛ける株式会社イノフィスが展開するアシストスーツ、「マッスルスーツSoft-Power®」および「マッスルスーツEvery®」を活用し、作業環境を大きく改善することを目指しています。
アシストスーツの特徴
家畜改良センターでは、補助力が非常に高い「マッスルスーツSoft-Power®」を導入しました。このスーツは、腰にかかる負担をなんと35%も軽減することが確実です。さらに、2023年11月には外骨格型の「マッスルスーツEvery®」も導入されており、今回で2度目のアシストスーツ導入となります。
使用されるシーンも多様で、飼養管理や飼料の運搬など力仕事を減少させる役割を果たします。特に分娩豚舎での子豚の取り上げなど、繰り返し立ったりしゃがんだりする動作が必要な場面では、その効果が際立っていると言われています。職員たちは、これにより身体的な負担を軽減し、安心して業務に専念できるようになったと語っています。
作業の効率化と清潔さを両立
家畜改良センターでは、農場特有のほこりや水分に対応する必要があり、アシストスーツの導入に際してもその点が考慮されました。洗浄が可能で、電力を使用せずに圧縮空気でアシストする「マッスルスーツEvery®」は、外での作業に非常に適しているものの、豚舎内ではサイズ感が大きく動きにくい一面もあったようです。そこで、より機動性のある「マッスルスーツSoft-Power®」が選ばれました。
また、作業着の着替えが求められる衛生管理に配慮しながら、シチュエーションに応じてアシストスーツを使い分けるアイディアも生まれています。これにより、作業の効率が大幅に向上しつつ、衛生面もキープされています。
今後の展望
もちろん、今導入されているアシストスーツが全ての作業に対応できるわけではありませんが、研究と実践を通じて、現場の特性に合った運用法を見出していく計画があるといいます。家畜改良センター茨城牧場では、アシストスーツによる労働環境の改良の他、今後はより幅広い業務においても、この技術を活用したい考えです。
アシストスーツの導入に関する詳しいレポートは、家畜改良センターの公式ウェブサイトからも確認できるため、すでに多くの関心を集めています。
まとめ
アシストスーツの導入は、特に高齢化が進んでいる職場においては労働負担の軽減に役立つと期待されています。イノフィスの取り組みによって、農業や畜産業での現場環境が大きく改善されることが求められています。今後、この技術がさらなる業務の効率化に貢献し、全国の農業現場での普及が進むことが期待されます。