2026年春の住まい探しと定期借家物件の増加傾向について
株式会社LIFULLが運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」は、2026年春の住まい探しの繁忙期を前に、首都圏の定期借家物件について調査を実施しました。この調査の結果、賃請求の上昇が続く中で、定期借家のシェアが拡大している様子が浮き彫りになりました。これにより、入居希望者やオーナーにどのような影響があるのか、一緒に考えてみましょう。
定期借家契約とは?
定期借家契約とは、契約期間をあらかじめ定める契約形態です。この契約においては、満了時に自動更新はなく、再契約が必須となるため、入居者にとってはライフスタイルが変わった際の転居計画が重要になります。また、オーナーにとっては、賃貸管理や修繕コストが増す中で賃料を操縦しやすいという利点があります。
首都圏の定期借家物件の動向
調査によると、2022年から2025年にかけての定期借家物件の年間掲載割合は、東京都において約9.3%に達しました。この数値は、特に神奈川県や埼玉県が著しい上昇を見せ、神奈川県が8.5%、埼玉県が6.6%に達するなど、東京都を上回る増加幅を示しています。千葉県もこの波に乗り、全体として定期借家が急速に浸透していることが確認できます。
賃料の推移
賃料については、特に東京都での上昇が大きいことが特徴的です。例えば、2022年から2025年の間に、東京での定期借家の掲載賃料は116.7%に達し、年々5ポイントのペースで上昇しています。一方で千葉県も113.5%の上昇を記録し、神奈川県や埼玉県に比べて急成長を見せているのです。
東京23区の定期借家の現状
また、東京23区内では定期借家の掲載シェアが9.5%に上昇。この結果、普通借家の賃料上昇率が逆転し、定期借家が持つ特性が特色を持って浮かび上がっています。特に渋谷区では、定期借家のシェアが18.1%に達し、多くの物件がこれに該当する状態です。
定期借家の背景と賃料見通し
LIFULL総研の中山登志朗氏によると、定期借家のシェア拡大が賃料上昇の原因になっていることが明言されています。物価上昇や管理コストの増加が影響し、結果的に入居希望者が優良な立地の賃貸物件を探す傾向が強まっています。貸主は、契約満了後に賃料の引き上げを行いやすくなり、供給者にとっては安定した収入が期待できるシステムが確立されています。
このような賃貸市場の動きは、2026年春の繁忙期においても賃料のさらなる引き上げを示唆しており、入居希望者は実際の再契約時に賃料の引き上げにどう向き合うか、検討が必要です。定期借家物件が増えることで、普通借家との違いや自分のライフスタイルに合った選択肢を持つことがますます重要になってきます。
今後の動向には注目が必要です。賃料アップを抑えるためには、入居者自身が市場の動きを知り、適切な判断を下す必要があります。賢い住まい選びが求められる中、定期借家という選択肢にも目を向けてみてはいかがでしょうか。