STマイクロエレクトロニクスが発表した新しい電流センス・アンプ「TSC240」
STマイクロエレクトロニクスが、新しい高精度電流センス・アンプ「TSC240」を発表しました。この製品は、最大100Vのコモン・モード入力電圧に対応し、120dBのPWM除去機能を備えています。これにより、車載用トラクションインバータやファクトリーオートメーション(FA)機器、ロボット、サーバーにおいて、信頼性の高い電流測定が可能です。
高電圧耐性と精度に優れた設計
TSC240は、-4Vから+100Vの範囲での測定が可能で、AEC-Q100認定を取得しています。これにより、既存の車載用電源規格、つまり12V、24V、48Vなどへの適応が容易になり、また産業機器向けのDCバスでの使用も実現可能です。高耐圧設計により、保護用の外付け部品を削減できることも大きなメリットです。ゲインは内部で20V/Vに設定されており、外部抵抗が不要なため、精度と再現性が高いのです。
さらに、TSC240はそのコンパクトな実装により、部材コストを最小化することが可能です。これによりコスト効率の向上を図りつつ、設計面でも優れた柔軟性を提供します。
先進的なセンシング性能
TSC240は双方向の電流センシングを行えるため、最大ゲイン誤差はわずか0.2%。また、ゲインドリフトは2.5ppm/℃以内、入力オフセット電圧は±20µV、オフセットドリフトは150nV/℃以内といった非常に高い精度を誇ります。同相信号除去比(CMRR)も優れており、モータ制御など、コモン・モード電圧が変動する場面でも、抜群の正確さで電流をセンシングできます。電気ノイズが多い環境でも安定した計測が可能なので、さまざまな用途において信頼性を確保できます。
幅広い条件下での運用
TSC240は、2.7Vから5.5Vの広範な電源電圧範囲で動作し、-40℃から+125℃の周囲温度に耐える設計が施されています。これにより、さまざまな設計条件において適応性が高く、過酷な作業環境にも対応できます。
現在量産中
この新しいTSC240はすでに量産中で、SO8パッケージおよびTSSOP8パッケージで提供されています。価格は約0.85ドルと、コストパフォーマンスにも優れた製品です。
STマイクロエレクトロニクスについて
STマイクロエレクトロニクスは、約50,000名の従業員を擁する世界的な総合半導体メーカーです。数多くの顧客やパートナー企業と連携し、持続可能な社会の実現に向けた半導体ソリューションを提供します。また、2027年末までに100%再生可能エネルギーの使用を目指すなど、環境にも配慮した取り組みを進めています。
詳しい情報は、STのウェブサイト(
http://www.st.com)をご覧ください。
お客様のお問い合わせ先
STマイクロエレクトロニクス株式会社
アナログ・MEMS・センサ製品グループ
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