スリランカ人難民申請者が語る日本生活の厳しさと希望の光

近年、世界中で難民問題が深刻な課題となっています。こうした中、日本に生活を求めるスリランカ人難民申請者の実情を知るため、5月23日に東京都新宿区で開催された交流会が注目を集めました。主催したのは、株式会社パルシステム・リレーションズで、同社はこの日、スリランカ出身の二人を招いて日本での生活や苦悩について語る場を設けました。

スリランカからの悲痛な声

スリランカでは1970年代から30年以上続いた内戦の後、現在でも深刻な政治的・経済的混乱が続いています。そのため、多くの人々が暴力や迫害を逃れるために日本を含む他国へと移住しています。この交流会には約40名が参加し、スリランカカレーを試食しながら、厳しい状況にある難民申請者たちの声に耳を傾けました。

来日21年目の男性は、結婚後に家族を持つも、在留特別許可の申請が成功しないという現実の中で困難な思いを抱えています。「自分と同じ境遇の人が多くいる中で、日本での生活は本当に厳しいものだと感じています。生活のために働くことも許可されない状況で、精神的なストレスが溜まる一方です」と言います。彼は、同じような思いを持つ難民と一緒に活動していく中で、少しずつ希望を見いだしている様子もうかがえました。

一方、来日してから9年が経つ別のスピーカーは「日本に来れば安心できると信じていましたが、現実は非常に孤独です。家族を持つことさえ夢のまた夢です。この国で、外国人が受ける冷たい視線を何度も経験しました」と悲痛な声を激白しました。「私たちの活動を知り、支援してほしい」と伝える姿には、一層の強さが見受けられました。

支援環境の現実とその限界

イベントを進行した反貧困ネットワークの瀬戸大作さんと加藤美和さんは、日本における難民申請者の生存権は保証されていない現状を強調しました。「民間支援団体が支えるしかない状況です。しかし、財政的な状況は厳しく、何とか打開策を考えなければなりません」と述べ、耕作放棄地を活用するなど新たな支援策について模索していると話しました。支援を受けるために闘っている多くの人々の姿が浮かび上がります。

スリランカカレーで絆を深める

イベント中には、スピーカーたちが作ったスリランカカレーも振舞われました。中には、日本人の口に合うようにアレンジした辛さ控えめのカレーが提供され、参加者たちからは「本格的なスパイスの香りが素晴らしい」と称賛の声が上がりました。このような食を通じた交流が、参加者同士の絆を深める機会ともなりました。

共に Support しあう社会を目指して

反貧困ネットワークは、2007年から活動を開始し、日本に住む外国籍の人々を支援する取り組みを展開しています。週ごとに多国籍ランチを提供する「おとなりカフェ」を開催し、生活困窮者支援の資金を得る機会を生み出しています。株式会社パルシステム・リレーションズは、これらの活動に賛同し継続的な支援を行っています。

このように、共生の社会を目指す取り組みは、国籍や文化が異なる人々を排除せず、理解し合うことの大切さを反映しています。47都道府県には約12,000人の外国籍の難民申請者が暮らし、彼らが安心できる日本社会の実現へ向けた課題は山積しています。皆が共に支え合い、未来を切り開いていくための意義深い交流が、こうしたイベントを通じて広がっています。パルシステムは引き続き、社会の課題に真摯に向き合い、共生の社会の実現を志してまいります。