小千谷市が目指す「書かない窓口」への道
新潟県小千谷市が、市民向けサービスを向上させるべく、基幹業務システムと窓口支援システムを連携させる新たな取り組みを行いました。このプロジェクトは、株式会社データ・アプリケーションが提供する「ACMS Apex」というエンタープライズ・データ連携プラットフォームを活用するものです。
小千谷市とACMS Apexの導入背景
小千谷市は、人口約32,000人を有し、美しい錦鯉で有名な地域です。その市では、市民サービス向上を目的とした「書かない窓口」の仕組みを導入することが決定され、窓口支援システムが設計されました。しかし、基幹業務システムとのデータ連携に際して大きな課題が浮上しました。それは、必要なデータレイアウトの出力機能を実装するのが難しかったことです。基幹業務システムから出力したデータを基に、窓口支援システムに適した形に変換する必要がありました。
特に、データベースにおける文字コードの違いも問題視されました。基幹業務システムはShift_JISを採用し、窓口支援システムはUnicodeを使用していたため、文字コードの変換も必要でした。また、市には独自の外字が約1,300種類あり、その扱いも課題の一つでした。
ACMS Apexの導入とその効果
そこで小千谷市は、ACMS Apexを導入することを決定しました。このプラットフォームは、既存のアプリケーションを活かしながら、システム間のスムーズなデータ連携を実現します。特に、搭載されているデータハンドリングプラットフォームであるRACCOONを利用することで、多様なデータフォーマットや文字コードの変換がノーコードで対応可能でした。
導入後、ACMS Apexは基幹業務システムと窓口支援システムのデータ連携を行い、重要な業務情報が5分ごとに更新されるシステムを構築しました。これにより、市民が窓口で書類を書く必要がなくなり、申請処理および証明書の発行時間は平均3分30秒に短縮されました。窓口業務のスムーズ化が図られ、より快適なサービスが提供されるようになりました。
小千谷市の企画政策課デジタル戦略室の室長、大渕和美氏は「ACMS Apexを利用することで、Shift_JISからUnicodeへの文字コード変換を一括で行え、外字への対応も頑張らずにできました。この成果により、プロジェクトの見通しが立った」とコメントしています。
さらなる市民サービス向上への期待
将来的には、小千谷市は一度の申請で他に必要な手続きも一括して案内し、一度の来庁で様々な手続きが完了する仕組みの導入を検討しています。このように、市民サービスのさらなる向上を目指すため、ICTを駆使した取り組みを進めています。
株式会社データ・アプリケーションは、ACMS ApexとRACCOONを基にしたデジタル・ビジネス・プラットフォームの提供を通じて、自治体の情報システムの標準化とデジタル化を支援する方針を掲げています。
このような取り組みが多くの自治体に広がり、質の高いサービスが提供されることが期待されます。
会社概要
株式会社データ・アプリケーション(DAL)は、EDI(電子データ交換)を中心にデータ連携分野での実績を持ち、国内4,000社以上でそのソリューションが利用されています。将来的には、企業間や個人と組織をつなぐことで、持続的な成長を目指す「DIGITAL WORK」を実現するための基盤技術を提供していく予定です。