唐津Farm&Foodが「自然共生サイト認定式」に参加
2025年9月30日、東京の砂防会館において、「自然共生サイト」を認定するための重要な式典が開催されました。この式に出席したのは、佐賀県唐津市を拠点に活動するNPO法人唐津Farm&Foodです。同法人は、唐津市相知町横枕に位置する里山の生物多様性を保全し、地域循環の取り組みを推進しています。
自然共生サイト制度とは
「自然共生サイト」とは、環境省によって生物多様性の保全のために認定されたエリアを指します。2023年には国際目標「30by30」に向けて新たに設立されたこの制度は、地域の現場での進展を促進し、効果的な保全活動を支える仕組みを提供しています。2025年4月には「生物多様性増進活動促進法」が施行され、認定手続きの効率化と特例の適用が可能になりました。
この施策により、地域レベルでの活動が推進され、唐津Farm&Foodもこの制度を活用しながら、地域資源を最大限に引き出しつつ持続可能な暮らしを作り上げています。
地域活性化の具体例
相知町横枕では、「自然共生サイト米」として認定された農産物の生産が始まっています。耕作放棄が見込まれた5.8ヘクタールの田んぼが再生され、地域住民と協力して米の栽培が行われています。この取り組みは、単に農業の再生にとどまるものではなく、環境保全と地域の活性化を同時に実現しようとする試みです。稲と共存する豊かな生態系が育まれ、風味豊かで栄養価の高いお米が生産されています。
また、唐津南高校との連携による「唐津ミツバチプロジェクト」は、初めて全国連携プログラムに登録され、その活動がさらに全国的に広がっていくことが期待されています。このプロジェクトでは、里山・里海の相互作用を学ぶワークショップを開催し、地域住民や学生が共に研究、観察を行い、新たな価値を創出しています。
未来への展望
唐津Farm&Foodは、2030年にネイチャーポジティブを実現するために、さまざまな活動を拡充していく計画です。企業や自治体、教育機関とのコラボレーションを深化させ、調査や教育、技術支援を通じて地域内外に情報を発信しながら、実装と発信の両輪で進めています。地域の特性を生かした循環型社会の構築に向け、様々な取り組みを通じて確かな成果を積み重ねていくことでしょう。
九州の自然共生サイトの展望
今回の認定によって、九州全体の自然共生サイトは47件にまで増加しました。大丸福岡天神店では「ネイチャーポジティブクリスマス」を開催し、九州における自然共生サイトの取り組みを広く発信する機会ともなります。このような地域の取り組みが全国的な注目を浴び、未来の環境保全活動につながることを期待しています。
唐津Farm&Foodは地域から全国、さらには国際的に持続可能な社会の形成を目指し、今後もその活動を展開していくことでしょう。