五常・アンド・カンパニーが175億円の資金調達を実施
五常・アンド・カンパニー株式会社(以下「五常」)は、2024年9月までの間に175億円のシリーズFラウンド資金調達を完了し、設立以来の累計資本調達額が465億円に達したことを発表しました。特に注目すべきは、国内の金融機関からも159億円のデット調達をこれに合わせて実施した点です。これにより、五常は民間版の世界銀行を目指すというビジョンに向けた資金基盤を強化しました。
シリーズFラウンドの詳細
今回のシリーズFラウンド資金調達には、特定投資家向け銘柄制度(J-Ships)を活用し、野村證券を通じて国内の個人投資家を中心に調達した約50億円も含まれています。また、日本を代表する機関投資家であるアセットマネジメントOne、レオス・キャピタルワークス、三井住友トラスト・アセットマネジメントらが新たに投資先として五常を選定したことが注目されます。
さらに、海外からは台湾のInternational Cooperation and Development Fundなど複数のベンチャーキャピタルが参画し、これにより既存の株主からも追加投資が実現しました。特に、アフリカ最大のマイクロファイナンスグループであるBaobab Groupへの出資が注目されています。
デット調達の新たな試み
資金調達はエクイティだけではなく、デット調達にも力を入れている五常は、複数の金融機関との提携を通じて約159億円の借入を実施しました。三井住友銀行がアレンジャーとして参加し、北國銀行や東日本銀行との40億円のコミット型シンジケートローン契約が成功しました。また、みずほキャピタルからの無担保普通社債、福岡銀行からのタームローン調達も行なっています。
これにより、五常は親子ローン制度やグループ会社への信頼補完を行いながら、デット調達の多様化を進めています。
持続可能な成長に向けた取り組み
五常の資金調達の成果は、インドやタジキスタンを中心としたグループ会社の成長に寄与することが期待されています。また、アジア・アフリカにおける金融包摂を促進する事業者への出資が進む中、五常は引き続き持続可能な成長を目指しています。
「誰もが自分の未来を決めることができる世界」の実現に向け、今後もさまざまな資金調達を通じて、低価格で良質な金融サービスを提供し続ける考えです。五常の今後の動向に目が離せません。