中川政七商店の挑戦
2025-01-14 15:21:57

中川政七商店がブランド改革と海外進出を計画、工芸を世界へ

中川政七商店、新しい時代の幕開け



奈良県奈良市に本社を置く老舗企業、株式会社中川政七商店が新たな挑戦を開始します。1716年に創業したこの会社は、日本の工芸を世界中の人々に届けることを目的に、2025年からロゴデザインを刷新し、2030年までには初の海外旗艦店をオープンする計画を発表しました。これにより、日本の工芸を国際的な場で広く知ってもらう一歩を踏み出します。

中川政七商店は、「日本の工芸を元気にする!」というビジョンを掲げ、日本の伝統工芸を基にした暮らしの道具を提供してきました。直営店の出店を2002年から加速させて以降、工芸業界初のSPA業態を確立したことが、大きな成果となっています。また、同社の生活雑貨事業は22年間で約20倍の売上を誇っており、さらなる成長が見込まれています。

近年の調査によると、全国の20歳から69歳の男女のうち、31.5%が「工芸や日本のものづくりに興味がある」と答えるなど、工芸が日常生活に浸透していることが明らかになりました。この新たな潮流を受け、中川政七商店は「日本の工芸を世界へ」広げるための準備を整えています。

新ロゴに込められた想い


新しいロゴデザインは、クリエイティブディレクター水野学氏(good design company)が手掛けており、ロゴの大幅なリニューアルは2008年以来17年ぶりとなります。新ロゴには、アルファベットで表記されたブランド名の他、創業を示す「SINCE 1716 NARA JAPAN」という表記や、「日本」「工芸」という言葉が加えられています。このデザインは、日本の工芸を世界に広げるという理念をより強く反映したものとなっています。

水野学氏はこのロゴの制作について「江戸時代から続く老舗に相応しいマークを追求し、試行錯誤を重ねた結果、現代にフィットする形に仕上げることができた」とコメント。中川政七商店が、これまでの歴史を反映しつつも、新たな時代に挑戦する姿勢を示しています。

進化する海外展開


中川政七商店は2018年からアジア圏を中心にPOPUP STOREを展開し始め、台湾をはじめとする国々でのブランド認知度を向上させてきました。例えば、台湾政府機関との協働で行った初の海外コンサルティングプロジェクトでは、台湾の陶磁器産地と共に新ブランドを立ち上げ、クラウドファンディングでは目標の約10倍の売上を記録しました。

さらに、中国のSNS「小紅書(RED)」では、16,000人以上のフォロワーを持ち、日本の企業の中で8位になるなど、マーケティングの成功を収めています。今後は台北や上海、北京、ソウルでのPOPUPイベントを通じて、現地市場への進出を加速させていく計画です。

2025年以降、中川政七商店は新ロゴを掲げながら、初の海外直営店の開店を視野に入れ、日本の工芸をさらに多くの人々に届けるべく、新たな挑戦を続けます。この一連の取り組みは、国内外でのさらなる成長と、伝統工芸の再評価を促す重要なステップとなるでしょう。


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会社情報

会社名
株式会社中川政七商店
住所
奈良県奈良市東九条町1112-1
電話番号

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