色彩検定UC級の影響
2019-07-25 15:08:00
色彩検定UC級の受検者データから見る知識の広がりとその影響
色彩検定UC級の受検者データから見る知識の広がりとその影響
公益社団法人 色彩検定協会が新設した『色彩検定 UC(色のユニバーサルデザイン)級』は、色覚の多様性に配慮したデザインや配色を理解することを目的としています。2018年に制度が始まり、2019年8月には全国で受検申込が開始されました。本検定を受検した3,169人のうち273名から得られたデータに基づき、色彩に関する知識がどのように活用されているのかを探ります。
受検者の特徴
アンケートによると、受検者のうち女性が74%を占め、男性は26%と女性の受検比率が高いことが分かりました。また、受検者の平均年齢は38.8歳で、特に40代の受検者が多いことが確認されましたが、20代から50代までの各年代でも高い関心を集めていました。年齢層が幅広いことが、この検定の特徴の一つです。
職業別のデータでは、「教育関連業」が最も多く、続いて「製造業」や「WEB・インターネット関連業」に関わる人々が多かったことが示されました。特に40代から50代にかけては教育関連業の受検者が多く、20代から40代ではWEB関連の職業が高い比率を占めていました。このことから、色彩の知識が特にニーズ高い職種で活用されていることが理解できます。
知識の活用
受検者からの回答によると、UC級で得た知識は製品開発やデザインといったモノづくりだけでなく、商談や顧客からの要望にも活用されています。具体的な活用事例としては、教育関連業者による教科書作成や授業での教材作成、製造業での安全ステッカーや製品デザイン、WEB業界でのデザイン作成まで多岐にわたります。
特に、色覚への配慮を必要とされる業種では、年齢や職務に関係なくその必要性が増していることが感じられ、年々このニーズは強まっています。高齢化が進む中で、多様な色覚をもつ人との接点を意識することは重要な社会的責任になっているのです。
課題と未来
今回の調査結果から、色のユニバーサルデザインに対する関心が広かくなっているものの、まだ周知されていない側面が多いことがわかりました。特に、色覚の多様性に配慮した知識を持つ人がまだまだ不足している現状が課題です。だからこそ、この検定制度自体が、広範囲の業種や世代にわたって受け入れられていることは、今後の普及活動において大きな前進と言えます。
協会では今後も色覚の多様性に対する「理解促進」、「色のユニバーサルデザイン」の考え方を広める活動を続け、この知識がより多くの人々に浸透することを目指しています。色覚に誰もが配慮された社会を実現させるために、色彩検定UC級はその一助となるでしょう。どの年代の方々にも必要性を感じられる内容であるため、その学習を通じた影響力は今後も注目されます。
このように、色彩検定UC級は、色覚に配慮したデザインの普及に向けて確かな手応えを見せています。今後の受検者に期待するのは、この知識がより良い社会づくりに貢献されることです。
会社情報
- 会社名
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公益社団法人 色彩検定協会
- 住所
- 大阪府大阪市淀川区宮原3-4-30ニッセイ新大阪ビル16F
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