相模原市立博物館が進化する快適な研究環境を目指す
相模原市立博物館は、展示物の管理や各種企画展の運営に加え、野生動物の生態調査や標本作成など、幅広い研究活動を日常的に行っています。しかし、こうした活動の中で、動物の巣や標本から発生する化学物質が原因となり、研究者の作業環境が悪化するという問題がありました。
この課題に向き合うため、相模原市立博物館は富士工業株式会社(以下、FUJIOH)と麻布大学、清水建設株式会社との共同で新たな取り組みを開始しました。2026年5月から実証実験として導入される「VOC(揮発性有機化合物)低減型空気清浄機」は、空気中の化学成分を効果的に低減し、快適な研究環境の実現を目指します。
VOC低減型空気清浄機の実力
この空気清浄機は、取り込んだ空気内の化学物質を特殊なケミカルフィルターで吸着し、その後に準HEPAフィルターを通して微細な粒子も除去します。これにより、清浄な空気を室内へ戻すことが可能です。また、動物病院での実証試験において、使用時に室内のVOC濃度が大幅に低下することが確認されています。
博物館や美術館では、文化財や昆虫標本、剥製などの保全に対してかつて使用されていた薬剤の製造が中止されたことから、新たな防虫対策としての防虫剤使用が増加していますが、この影響で室内に独特なにおいが発生しつつあります。このような新たな室内環境の課題に対しても、VOC低減型空気清浄機は良好な選択肢となるのです。
研究者の声
相模原市立博物館の秋山館長は、空気清浄機を導入して以降、これまで作業後に残っていた微かなにおいが気にならなくなったことに驚きを隠せません。また、動物の解剖時に強いにおいが発生しても、残臭がほとんど感じられないという変化があったことを報告しています。こうした経験は、VOC低減型空気清浄機の導入効果を裏付ける重要な証言です。
相模原市の今後の取り組み
相模原市は、「Greater Linear Startup Network(GLiS)」という広域スタートアップ支援ネットワークを構築し、産官学金の連携強化を遂行しています。GLiSコンソーシアムの一員として、FUJIOHはこのプロジェクトにも参加しており、多様な主体の連携を通じてオープンイノベーションの推進、さらにはベンチャーやスタートアップの研究開発から社会実装までの支援を目指しています。
公式Web:
GLiS
相模原市立博物館の先進的な取り組みは、博物館や研究機関における快適さを向上させ、研究活動の生産性向上にも寄与することが期待されています。今後もこの取り組みを進めることで、より良い研究環境を築き、研究の質を高めていくことでしょう。