Ubieと亀田総合病院が協力する肥満症治療実証実験
Ubie株式会社が、千葉県鴨川市の亀田総合病院と共に新しい肥満症治療モデルを2025年11月から導入することになりました。この取り組みでは、AI技術を活用した対話型の健康サポートパートナーを通じて、患者さんが抱える様々な悩みに寄り添っていきます。
背景と課題
肥満症は通常の体重管理にとどまらず、高血圧や糖尿病などの重大な健康問題と密接に関連しています。しかし、日本では「自己責任」との偏見から受診をためらう方が多く、実際の治療においても、食事や運動に関する指導を長期間継続することが難しいという問題が存在します。医療現場でも、患者一人一人の生活習慣にしっかり向き合う時間がないため、効果的なサポートが難しいのが現状です。
AIパートナーの役割
この新しい治療モデルの核となるのが、Ubieが開発した対話型AIパートナーです。このAIは、患者さんに24時間いつでも相談できる環境を提供し、医療ガイドラインに基づいた情報も提供します。例えば、患者が持つ食事への不安や運動に対する疑問にリアルタイムで答えることができるため、サポートが受けやすくなります。事前の実証実験では、AIパートナーを利用した患者からの好意的な反響が多く報告されています。
未来に向けての展望
Ubieと亀田総合病院は、実証実験を通じて収集したデータを分析し、より良いサポートの実現に向けた取り組みを続けていきます。このプロジェクトは、医療従事者の働き方の改善や病院経営の課題にも貢献することが期待されています。
専門家からのコメント
医療法人鉄蕉会 亀田総合病院の小川理本部長は、「肥満症治療には患者の行動変容が不可欠」と述べ、AIパートナーがこの変容を促す重要なツールとして期待されています。疑問や不安を解消すると同時に、心理的な負担を軽減することが、治療の継続率向上に寄与するでしょう。
Ubieの阿部吉倫共同代表も、「社会的偏見により医療にアクセスできていない患者が多い」と指摘し、AIパートナーが患者をサポートする新たな選択肢になることを目指しています。そして、テクノロジーを駆使して一人でも多くの患者が適切な医療を受けられる環境づくりに取り組んでいくと話しています。
Ubie株式会社について
Ubie株式会社は、医師とエンジニアによって2017年に設立されたヘルステックスタートアップで、医療に関するAI技術を駆使して患者が適切な医療にアクセスできる世界を目指しています。治療支援のためのサービスを展開しつつ、社会に貢献することを念頭に置いています。