治療に新技術
2021-08-30 11:00:09
ジェリクルとメディコスヒラタ、下肢静脈瘤治療に新技術テトラゲルを実用化へ
ジェリクルとメディコスヒラタ、テトラゲル技術の共同開発を拡大
はじめに
近年、医療技術の進化に伴い、低侵襲性の治療法が注目されています。特に、下肢静脈瘤や血流障害といった疾患に悩む患者にとって、身体への負担が少ない治療法は非常に重要です。そんな中、ジェリクル株式会社と株式会社メディコスヒラタが提携し、テトラゲル技術の実用化を目指して共同開発を拡大することが発表されました。
テトラゲル技術の概要
テトラゲル技術は、東京大学の酒井崇匡教授が開発した新しいゲル技術です。この技術の最大の特長は、4つの異なる末端を持つポリマーを組み合わせることで、均一な網目構造を形成できる点です。このおかげで、従来は難しいとされていた多様な物性を持つゲルを作ることが可能となります。
ジェリクルでは、このテトラゲルを用いて多くの医療機器の開発を進めており、特に下肢静脈瘤や大動脈解離といった症例の治療に向けた研究を行っています。テトラゲルを使った下肢静脈瘤治療は、ゲルを注入するだけで治療ができるため、患者の身体にかかる負担が大幅に軽減されます。
共同開発の背景と目的
2021年2月に締結された最初の共同開発契約以来、ジェリクルとメディコスヒラタは止血材領域において進展を見せてきました。今回、その範囲を血流障害及び血管疾患へと拡大し、さらに多くの医療機器を開発することが可能となります。
下肢静脈瘤は日本国内で1,000万人以上の患者がいるとされ、多くの女性が出産後に発症するリスクにさらされています。しかし現存の治療法は侵襲性が高く、患者にとって負担となることが多いのが現状です。ジェリクルのテトラゲルを活用することで、より簡便で身体への影響が少ない治療法の提供が期待されます。
開発に期待される効果
2026年の薬事承認を見据えた今回の共同開発は、下肢静脈瘤や大動脈解離といった血管疾患の治療に革命をもたらす可能性があります。患者にとっては、従来の治療法に比べてダウンタイムが短く、安心して受けられる医療の提供が実現します。
また、今回の共同開発に対するメディコスヒラタの平田社長のコメントにもあるように、この新技術は低侵襲医療の進化を促進し、安全で効果的な治療の実現に寄与することでしょう。
未来への展望
ジェリクルの増井社長は、テトラゲル技術の優位性を強調し、患者に迅速に提供できる医療製品の開発を進める意向を示しています。これにより、国内外の医療現場において、より質の高い医療が実現されることが期待されます。
結論
ジェリクルとメディコスヒラタの新たな提携は、低侵襲性の医療技術の実用化を進める重要な一歩となるでしょう。テトラゲル技術は、今後の医療において、患者のQOL(生活の質)を向上させる重要な役割を果たすことが期待されています。両社の取り組みによって、より多くの患者に安全で効果的な治療が届けられる日が待ち遠しいです。
会社情報
- 会社名
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ジェリクル株式会社
- 住所
- 東京都文京区本郷3-38-10さかえビル2F
- 電話番号
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