日本初の大型ドローンが49kgの貨物を成功裡に輸送！技術革新が進む

49kgの貨物を搭載した大型ドローンが飛行に成功

近年、物流業界においてドローンの活用が進んでおり、特に注目されているのが大型の搬送用ドローンです。その中で、特に目を引くのが小野塚精機株式会社が開発した、国内最大級の搬送用ドローン「TPD」です。このドローンは、なんと49kgの貨物を搭載して飛行することに成功しました。搭載物は2斗樽で、樽自体の重量は10kg、水が39kg。この成功したフライトは、日本の航空物流における新たな可能性を示唆しています。

高効率なモーター技術

小野塚精機は、日本製鉄製の電磁鋼板を使用し、高効率モーターを開発しました。このモーターは、大型輸送ドローン向けに設計されており、独自の高パワー技術が採用されています。具体的には、モーターの多極高速回転化が取り入れられており、これにより、効率や特性が大幅に向上しました。

特に、鉄損と飽和磁束密度のバランスを考慮し、日本製鉄の電磁鋼板を使用したことが功を奏しました。製造の際には、電磁鋼板を効率的に積層し、最高の性能を発揮するモーターが完成しました。

進化した冷却効率

本モーターは、エコランやソーラーカーで得た技術が応用されており、従来の大型ドローン用モーターに比べて、冷却効率が優れています。特に夏季などの高温環境での運用に対応できるため、使いやすさが向上しています。また、モーターとESC（電子速度調整器）を2重に冗長化することで、故障時の信頼性も大きく改善されています。

また、駆動系の制御特性も大型輸送ドローン向けに最適化されており、これまで必要だった制御系のパラメータ調整が不要になりました。この点は操縦の簡易性を大いに助ける要素となります。

チームの連携と技術力

この大型ドローンの開発には、有限会社五百部商事や株式会社ロックガレッジの専門家が関与しています。様々な分野の知識を融合し、大型ドローンのカスタマイズモーター体制や駆動系、機体制御のインテグレーションに対応できるよう努めています。

今後、企業向けにさらなるカスタムモータの提供を行い、物流問題の解決に貢献することでしょう。参考価格として、カスタムモータ・ESCの開発は50万円/セットから提供される予定です。

輸送能力や仕様

このドローンの運用に関する詳細な仕様も注目です。モーターの外径は200mm、重量は2kg、出力は4kWで、最大効率は90%という高い性能を誇ります。ドローン自体のサイズは、幅1,600mm、奥行1,600mm、高さ700mmという大型仕様で、ペイロードは49kgです。使用されているバッテリーは、急速充電が可能な東芝SCiBで、高い安全性を確保しています。

ドローンの飛行成功は、これからの物流業界に革新をもたらすことでしょう。今後の動向が楽しみです。