日本の宿泊業界にインド人特定技能人材を紹介
Zenken株式会社(以下、Zenken)は、インド国家技能開発公社(NSDC)の完全子会社であるNSDC International Limited(以下、NSDCI)と提携し、日本の宿泊業界に特定技能人材を紹介する新たな事業を開始します。このプロジェクトは、日本における宿泊業界の人手不足問題を解決するために非常に重要な意味を持っています。
プロジェクトの概要
ZenkenとNSDCIは、すでに2023年7月に介護分野の特定技能人材に関して協定(MOU)を締結しました。今回、宿泊分野における人材育成を加速させることで、特定技能人材の紹介を実施し、深刻な人手不足に立ち向かうことが目指されています。この取り組みは、特に宿泊業界において、客室清掃やフロント業務、レストラン業務での人材不足を解消する役割を果たします。
学生の育成プロセス
新たに設立される全寮制の日本語研修センターでは、インド人の特定技能人材候補生が日本語やその他のスキルを6ヶ月間学びます。その後、日本語能力試験(JLPT)N4と特定技能宿泊試験に合格した学生は、Zenkenを通して日本の宿泊施設に紹介され、採用面談が行われます。内定後は、現地で3ヶ月間の追加日本語研修が行われ、即戦力として活躍できる準備が整えられます。
背景:人手不足の現状
厚生労働省の調査によれば、2023年6月末の時点で、日本の「未充足求人数」は148万人に達し、その中でも宿泊業と飲食サービス業が33万人を占めていることが分かっています。このような中で、インドの若者は宿泊業界向けの専門教育を受けた人材として大いに期待されます。NSDCは、インド国内で3,000万人以上の人材育成に貢献しており、日本市場への送り出しを目指しています。
NSDCとNSDCIの役割
NSDCは、インド政府が設立した公共と民間のパートナーシップによる組織で、技能育成や研修を行っています。また、NSDCIは、インド人材の海外でのキャリア構築を促進することを目指しています。ZenkenとNSDCIの提携により、日本の宿泊業界向けに年間200名以上の特定技能人材を紹介する計画が進行中です。
Zenkenの役割と将来展望
Zenkenは、1975年に設立されて以来、宿泊業界における人材の育成と供給に関与しています。NSDCIと連携することで、日本の宿泊業界の人手不足解消だけでなく、インドの若者に国際的なキャリアの機会を提供することも志向しています。今後の活動によって、日印間の人材交流がさらに促進され、双方にとって利益となる関係が育まれることが期待されています。
このプロジェクトは、宿泊業界の発展だけでなく、異文化理解と国際人材の活躍を促進する重要なステップとなるでしょう。日本の宿泊業界が抱える課題を解決し、インド人材が新たなステージでの活躍を遂げることは、今後の大きな課題となります。