AIがもたらす防御システム
2021-05-11 07:50:01

AIを活用した新しいサイバー攻撃防御システムの実証実験の成果と今後の展望

サイバー攻撃防御システムの実証実験について



サイバー攻撃による脅威が年々増している中、企業や公共機関ではセキュリティ対策が急務となっています。特に「不正アクセス」や「DDoS攻撃」といった攻撃は、システムや情報の安全を脅かす深刻な問題です。このような背景を受け、最近、AIを活用した画期的なサイバー攻撃防御システムの実証実験が行われました。

実証実験の背景


近年のIoT(モノのインターネット)時代の到来により、これまでクローズドで運営されていた生産ラインやシステム制御がオープンなネットワークに接続されるケースが増えています。これにともない、サイバー攻撃はより身近な脅威となり、特に重要な情報を扱う官公庁や企業に対するDDoS攻撃は急増しています。サイバー攻撃は、ネットワークの持続的な運用や経済活動に深刻な影響を与えることが懸念されています。

実証実験の目標


今回の実証実験は、公共機関や企業のBCP(事業継続計画)を実現する一環として、AIによるサイバー攻撃防御システムの構築を目的としています。このシステムは、サイバー攻撃の現実に即応できるよう新たな検知手法と防御策を提供することを目指しています。

実証実験の概要


実証実験は複数のステップに分かれて実施されました。ステップ1では、ジェノアテクノロジーズとアドックインターナショナルの協力を得て、クレバースカイシステムズのネットワーク診断装置TM2000を使用し、サイバー攻撃のリアルタイム検知手法を実験しました。この装置によって実際に模擬的な不正アクセスやDDoS攻撃を行い、攻撃を受けた際の端末のリアルタイム検知能力を評価しました。

実験の成果と意義


実証実験から得られた主な成果は次の通りです:

1. リアルタイムでの攻撃端末の検知
TM2000を使い、SNMP(Simple Network Management Protocol)を通じて複数のネットワーク機器からの情報を同時に収集し、サイバー攻撃の被害を受けた端末を迅速に検知できることが確認されました。

2. 内部からの攻撃検知
外部からの攻撃に加え、内部のネットワーク上で不正行為を行っている端末もリアルタイムで識別できることがわかりました。

3. 効率的なデータ解析
検知トリガーを簡単にパケットキャプチャツールに送信できるため、膨大なデータも効率よく解析可能となります。このシステムにより、比較的低コストで強力なサイバー攻撃の監視と検知を実現しました。

今後の展望


実証実験の次のステップでは、AIを利用したさらなる検知精度の向上と、アタッカーの行動を詳細に分析できる方法の検討が行われる予定です。また、2021年8月には「サイバー攻撃検知システム」が、2021年末には「サイバー攻撃防御システム」として市販化される予定です。

このように、サイバーセキュリティ対策の重要性が高まっている今、AIを活用した強固な防御システムの実現に期待が寄せられています。今後の進展が楽しみです。

会社情報

会社名
ジェノアテクノロジーズ株式会社
住所
東京都港区虎ノ門4-3-1城山トラストタワー
電話番号

トピックス(IT)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。