環境に優しい消火剤が新たな一歩を踏み出す
シャボン玉石けん株式会社(本社:北九州市、代表取締役社長:森田隼人)が、画期的な石けん系消火剤を開発し、この技術が経済産業省の補助金事業に採択されたことを発表しました。この取り組みは、インドネシア共和国における森林・泥炭火災の抑制に寄与することを目的としています。
石けん系消火剤とは?
この消火剤は、環境に優しい成分で構成されており、自然の中でも安全に使用できるため、持続可能な社会の実現に貢献します。具体的には、2010年から50年以上の歴史を持つ無添加石けん製造のノウハウを活かし、研究・開発が進められています。特に火災が増加する環境で、効率的かつ効果的に消火が行える手段として位置付けられています。
事業の具体的内容
新規事業は、以下の三つの構成要素を中心に展開されます。
1.
消火剤の標準化:石けん系消火剤の製品化を進め、その効果を広めるための基準を設ける。
2.
最適な備蓄・配送システムの構築:消火剤の効果的な供給体制を確立し、災害時に迅速に対応できるインフラを整える。
3.
ビジネスモデルと政策の立案:森林保全や炭素排出削減に寄与するための新たなビジネスモデルを策定し、関係機関と協力して進める。
このプロジェクトは、インドネシアや周辺国での火災に関し、持続的な対策を講じ、私たちの地球環境を守るための試みです。
過去の教訓から生まれた技術
シャボン玉石けんの石けん系消火剤は、1995年の阪神・淡路大震災を契機に、その必要性が顕在化しました。当時、消火用水の確保が難しかったことから、少量の水で効果的に消火ができる新種の消火剤の開発が迫られていました。その後、2001年に北九州市立大学や消防局との協力のもと、石けん由来の消火剤研究が始まり、2007年には国産初の一般火災用消火剤として市場に登場しました。
特徴と優位性
この石けん系消火剤の最大の特長は、
- - 高い浸透力と節水効果:泥炭地火災においては水の浸透力を高めることで、消火に必要な水量を従来の約4分の1に削減。
- - 100%天然由来の生分解性:環境に優しい成分使用で、3日間で約90%が生分解されるため、地下水や植生への影響を最小限に抑える。
これらにより、環境負荷の低減と効率的な消火活動が両立可能となっています。
まとめ
シャボン玉石けん株式会社の石けん系消火剤は、環境問題に配慮しつつ、実効的な消火手段を提供する新たなアプローチとして期待されています。今後、この事業が進展し、インドネシアの森林火災抑制に寄与することを願うばかりです。地方や国際的なサポートに期待されるこの取り組みは、私たち全員が取り組むべき問題であると言えるでしょう。環境に優しい未来を築くため、一人ひとりが行動を起こすことが求められています。