日本のワイン界に新しいムーブメントをもたらしているのは、上下二つの伝統的なワイナリー、木谷ワインと岩崎醸造によるコラボレーションです。双方の代表者、木谷一登氏と白石壮真氏が意気投合したことで、両者の特別なワインが誕生しました。木谷氏と白石氏はともに平成元年生まれ。偶然にも同じ年に生まれた二人は、共通の趣味や理念を持ちながら、互いのワイナリーの特色を引き立て合う製品を作ることに決めました。
彼らのコラボレーションは、株式会社ジュンが運営するオンラインショップ「wa-syu」を通じて実現。ここで発売されたのは、木谷白石甲州デラ2023と白石木谷甲州デラ2023という2種類のオリジナルワインです。これらのワインは、奈良県の木谷ワインと山梨県の岩崎醸造の特徴をうまくブレンドしたもので、それぞれにユニークな風味があります。
まず、木谷白石甲州デラ2023は、木谷氏が白石氏と共に収穫した甲州を基に、奈良の自社畑で育てたデラウェアを加えたもの。特に注目すべきは、キンモクセイの豊かな香りと納得のいく味わいです。木谷氏独自の技術と哲学から生み出されたこのワインは、飲む人を魅了すること間違いなしです。
一方、白石木谷甲州デラ2023は、白石氏が特別な畑で収穫した甲州を基に、唯一のデラウェアをブレンドしました。このワインは、甲州の純粋さとデラウェアの複雑さを兼ね備え、豊かで綺麗な酸が特徴です。どちらのワインも、二人の個性が色濃く反映されています。
さらにこのコラボレーションの面白いところは、ラベルのイラスト制作に若手イラストレーターのちぃ.氏が関わっている点です。ちぃ.氏は、木谷氏と白石氏をイメージしたキャラクターを描き上げ、ワインのユニークな個性を視覚的に表現しています。アートとビジネスを同時に追求する姿勢は、今の日本のクリエイターたちが持つ新しい潮流を感じさせます。
このコラボレーションが実現した背景には、各自が長年培ってきた技術や知識の結集があります。木谷ワインは、奈良の風土に根ざした厳選したブドウの栽培を行い、無農薬や減農薬を意識したクラフトなワイン造りをしています。一方、岩崎醸造は、甲州ブドウ発祥の地での伝統的な製法を守りつつ、次世代へとつなげていくことに努めています。
木谷氏は、自身のワイナリーを設立する以前は銀行員として働いていましたが、ワイン造りの魅力に引かれ、独立を決意しました。その際、彼の師匠となったのが、カタシモワイナリーの関係者です。
また、白石氏は、ワイン専門商社での経験を経て、岩崎醸造の再生に尽力。二人とも、単なるワイン作りに留まらず、日本のワイン文化の発展に貢献したいという強い意志を持っています。
このトリプルコラボレーションによって生まれた新しいワインは、まさに若い世代のクリエイターたちが日本文化を発展させるための象徴ともいえるものです。ぜひ、wa-syuのオンラインショップでその味わいを堪能してみてください。新たなワインの扉を開く、特別な体験が待っています。これからの日本ワインの未来に目が離せません。