ひきこもりの人々へ贈る新たな手帳術、心の整理を支援する一冊

ひきこもり支援の新たなアプローチ

近年、日本では「ひきこもり」とされる人々の数が増加しており、現在推定146万人に上るとされています。特にADHDやASDといった見えにくい特性を抱える人たちは、日常生活において様々な困難に直面しています。朝の目覚めがつらい、外出が億劫になる、人間関係に疲れを感じる等、その「生きづらさ」は多岐にわたります。

このような現状を受け、2025年9月26日に発売される『ゆるこもりさんのための手帳術』は、単なる手帳ではなく、心の整理と自分を受け入れるための実践的なガイドブックとして展開されます。本書は熊野賢氏が10代の頃からの自身の経験をもとに、ひきこもり状態にある方々やその支援者に向けたメッセージを伝えています。

熊野賢氏の実体験に基づいた手帳術

著者の熊野氏は、自身も10代の頃から起立性調節障害に悩まされ、厳しい思春期を過ごしました。その経験から、同じように「がんばれない自分」で苦しむ人々に向けて「ひとりじゃないよ」というメッセージを届けたく、手帳を活用した心の整理法を考案しました。著者は「できない自分」を責めるのではなく、「できたこと」に目を向ける重要性を強調しています。

日々の小さな達成を記録することで得られる安心感

本書で提唱される手帳術は、毎日できた小さなことを記録することを目的としています。例えば、「今朝、ベッドから起きた」「好きな音楽を聴いた」「他人に挨拶をした」など、些細な達成を言葉にすることで、自分の心の状態を整理していきます。

こうした行動は、自己肯定感を育む第一歩となり得ます。日常の小さな成功体験を蓄積することで、自分を責める気持ちが和らぎ、心に余裕が生まれ、さらには自由な自己表現につながります。手帳には、感情や思いを絵や色で表現することも可能で、言葉にできない感情を整理する助けになります。

家族や支援者にも寄り添う内容

この手帳術は、当事者のためだけでなく、その家族や支援者にとっても重要な資料となります。手帳を通じて自己理解を深めることで、対話の機会が生まれ、誤解や不安を減少させ、より安心できる関係を築く助けとなるのです。

熊野氏は、「できないことに目が向きがちだが、小さな成功に目を向けることで、人生が変わる」と強調しています。手帳を用いるというシンプルな行為が心の整理に大変重要であることを、本書は丁寧に示しています。

著者からのメッセージ

熊野氏は、彼自身が経験した葛藤から得たメッセージを読者に届けます。「この本を通じて、『ひとりじゃないよ』と感じてほしい。予定が書けなくても、少しでもできたことがあれば、それに光を当てよう」と語ります。しっかりとした基盤を作り上げることで、安心感が生まれ、将来への希望につながるのです。

書籍情報

書名：『ゆるこもりさんのための手帳術』
著者：熊野賢
価格：1,650円（税込）
発売日：2025年9月26日
発行：ぱる出版
判型：四六判／208ページ
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この書籍を通じて、多くの人々が自分を肯定し、日々の生活に少しでも満足を見出せることを願っています。手帳を使った新たなアプローチが、心の整理を通じて新たな明日への一歩を踏み出すきっかけとなります。