ひろさちやが示す未来への警告と生き方の提案
「日本という国はやがて消滅する」。この衝撃的なフレーズで始まるひろさちや氏の新著『〈ゴータマ〉の大予言――みんなが「わたしの人生」を生きるために――』は、仏教思想の視点から現代社会を鋭く分析し、未来への警告を発しています。著者は、競争社会に生きる私たちに対し、豊かな人生を送るためのヒントを提供しています。
現代社会と仏教思想の融合
ひろさちや氏は、現代日本の競争社会がどのように人間を労働力として消費するのかを指摘します。彼は「労働力」という枠を超えて、「労働者」としての商品化が進む昨今の労働環境に対し疑問を呈し、こうした状況が私たちを不幸にしていると述べています。この本は、かつての著作に引き続き、普遍的な仏教思想を基に新たな視点を提供しており、私たちが「わたしの人生」を生き抜くために必要な考え方を導き出します。
ゴータマの登場
物語は、インドの財閥の会長と風来坊の青年・ゴータマの出会いから始まります。この二人の出会いを通じて、ひろさちや氏は「欲望は危険である」「やがてすべては潰れてしまう」といった基本的な原則を伝え、次々と大予言を語る様子が描かれています。ゴータマの独特な視点と予言は、読者に新たな思考を促します。
常識への挑戦
本書では、日常的に受け入れられている常識に対しても上手に切り込んで行きます。著者は「世の中の常識がいつも正しいわけではない。むしろ間違っていることの方が多い」と述べ、私たちが当たり前だと信じていることを再考させます。これまでの固定観念を打ち破ることで、より豊かな生き方を提案するこの書籍は、単なる仏教書にとどまらず、現代の問題を解決するための実践的なガイドとも言えるでしょう。
生き方の提案
本書の第Ⅱ部では、具体的な生き方の提言が示されています。たとえば、「世間をバカにせよ」「今・ここ・自分に生きよ」といった提言は、外部の価値観に囚われず、自分自身を大切にすることの重要性を説いています。また、「怠け者になりなさい」と言う著者の言葉は、現代人が抱えるストレスやプレッシャーに対する解放を求める強いメッセージでもあります。これにより、読者は自己の人生への新しい見方を手に入れることができるでしょう。
ひろさちやの著者プロフィール
ひろさちや氏は、大阪市で生まれ、東京大学で印度哲学を学びました。長年にわたって気象大学校の教授を務め、その後も幅広く仏教の知恵を解説する著作を展開しました。2022年に逝去するまで、彼は全国各地で講演活動を行い、多くの人々に影響を与え続けました。
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書誌情報
書籍名: 〈ゴータマ〉の大予言――みんなが「わたしの人生」を生きるために――
著者: ひろさちや
発行: 佼成出版社
定価: 1,980円(税込)
仕様: 四六判180ページ
ペーパーバック版、
電子書籍版をそれぞれ入手可能です。