ホンダワラの養殖技術
2025-01-20 11:11:28

ホンダワラ類の完全養殖技術、ブルーカーボン需要に応える新たな一歩

ホンダワラ類の完全養殖技術、ブルーカーボン需要に応える新たな一歩



岡部株式会社の応用藻類学研究所は、ホンダワラ類の完全養殖技術を確立しました。この技術により、海藻養殖におけるタネ採取の新たな進展が期待されています。従来は天然藻体からタネを採取する必要がありましたが、この技術であれば親株を人工培養し、多量に受精卵を確保することが可能になりました。

完全養殖技術とは何か?



完全養殖とは、天然藻体に依存せず、人工的に育成した種苗を利用する方法です。具体的には、容器内で成体に育成されたホンダワラ類から、成熟誘導を経て人工授精を行い、多量の受精卵を得て次世代の種苗生産に繋がります。このサイクルが繰り返されることで、安定したタネ供給が実現します。

ホンダワラ類の重要性



ホンダワラ類は、日本の沿岸において約60種類が分布し、多様な環境下で生育します。潮間帯や水深30メートル以上で見られるこの藻類は、海中で「海中林」を形成し、水産動物の生息場所や餌場に重要な役割を果たしています。さらに、ブルーカーボン生態系として二酸化炭素の吸収・固定の機能が注目されていますが、近年の海水温の上昇により、藻場の減少が深刻化しています。

技術の進展と将来の展望



2023年4月、岡部株式会社は移動の過程で未成熟なホンダワラ類藻体から成熟誘導を行い、受精卵を100個採取することに成功しました。これをもとに、200日以内で成熟、さらに新たな主枝を再生・再成熟することが可能になりました。これによって、ためた受精卵の量は、僅か7株からでも10万個以上に達し、生産効率が飛躍的に向上したことが示されています。

環境への配慮と持続可能な発展



日本において藻場の減少は、成長可能なホンダワラ類種が多いことで補われる可能性があります。特に、蒲生藻(キレバモク)は亜熱帯性種として、今後の磯焼け対策やブルーカーボン生態系の改善に対し、重要な役割を果たすと期待されています。岡部株式会社は、今後もキレバモクを対象にタネ採取を100万個行う体制を整備し、さらには他の亜熱帯性種や温帯性種にも対応広げていく計画です。

研究所について



岡部株式会社の応用藻類学研究所は1992年から海藻の増養殖技術に取り組み、2012年に隠岐郡海士町で設立されました。この研究所では、藻場造成と保全に関する技術開発が行われており、特にSDGs目標「14. 海の豊かさを守ろう」の実現を目指しています。

最後に



岡部株式会社は、持続可能な海洋資源の確保を通じて、環境に優しい社会の実現を目指します。これからも、新しい技術を活用し、さらなる発展を遂げることが期待されます。





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会社情報

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