ツーライスが海洋教育を行う高知の小学校
今年度、高知県で実施されている海洋学習の一環として、お笑いコンビ「ツーライス」が小学校を訪れる出前授業が行われました。この活動は、次世代へ美しい海を引き継ぐためのプロジェクトであり、子どもたちに海洋問題や環境意識を育む目的があります。
教室での学び
2023年10月17日(金)、高知県土佐市立宇佐小学校にて、この授業の第4回が開催されました。小学5年生の生徒11人が参加し、ツーライスのメンバーとともに海に関する様々な問題を学びました。まず、ツーライスのヤスさんと大ちゃんが「海洋ごみ問題」について解説しました。海洋ごみの中で最も多いのはプラスチックで、私たちの町から流れ出たごみが海に蓄積され、海洋生物に多大な影響を及ぼしています。
海洋学習では、特に高知の地域特性が反映された「高知の海に多いゴミランキング」を紹介。このランキングでは、漁具が最も多く、次いでペットボトル、缶が続く結果となっています。現状では年間800万トンのごみが海に流れ込んでおり、このままでは2050年には海のプラスチックが魚より多くなると警鐘を鳴らしました。
地球温暖化について考える
さらに、子どもたちは山岸拓 気象予報士から「地球温暖化と海の関係」に関するレクチャーを受けました。温暖化の主因は化石燃料の使用や森林破壊だと指摘され、温暖化が海に及ぼす影響についての理解を深めました。具体的には、プランクトンの減少による魚の生息地の変化や、海面上昇による水害のリスクなどについても考察しました。
実験として、炭酸キーパーとアルコールを使用した「ペットボトルで雲を作る」の実演が行われ、科学の面からも環境問題にアプローチしました。
環境と生態系を学ぶ
高知大学の伊谷行 教授が、海、山、川の生態系のつながりや干潟の重要性について講義した後、実際に川の水と海の水の塩分を比べる実験も行われました。淡水と海水が混じり合った「汽水」の特性を学び、特に河口の生物がどのように生き延びているかについても話が及びました。
ごみ拾いで実践
授業の後、ツーライスや講師たちと一緒に校舎周辺のごみ拾いを行いました。多くのごみが道路に落ちており、特にポイ捨てのごみが目立ちました。この活動を通じて、子どもたちはごみが海洋に流れ込む危険性を実感しました。
参加した子どもたちの声
授業の終わりに講師から「学んだことを周りにも広めてください」という言葉があり、子どもたちは積極的に自分たちの生活を見つめ直すきっかけになったことでしょう。節電や節水、ポイ捨ての防止に努めるという感想が寄せられ、海を守る意義について深い理解を得たようです。
団体概要
この活動は「一般社団法人 海と日本プロジェクト in 高知」が主催しており、次世代に向けての海洋教育に力を入れています。日本全体で海を守る意識を高めるための多様な取り組みを行っており、これからも地域の子どもたちと共に活動を進めていくことを目指します。