最近、JOGMEC(資源エネルギー庁に所属する独立行政法人)が、合成燃料(e-fuel)分野に関して米国のHIF Global LLCへの出資を決定しました。これは、出光興産株式会社との連携に基づくもので、今後の脱炭素化への重要な一歩とされています。
合成燃料(e-fuel)とは?
合成燃料は、再生可能エネルギー由来の水素と二酸化炭素を化合して得られる液体燃料です。特に、e-メタノールは航海のための燃料として特に注目されています。海運業界では、二酸化炭素の排出削減が急務であり、e-メタノールはその解決策としての役割が期待されています。
既存のインフラを利用できることから、飛行機、船舶、自動車の内燃機関にもそのまま活用できるため、合成燃料は脱炭素社会に向けた迅速な移行をサポートするエネルギー元としても期待されています。
HIF Global社の背景
HIF Global社は、2021年に設立され、アメリカ・テキサス州ヒューストンを本社とする企業です。2022年からチリ・マガジャネス州で合成燃料の製造プラントを運営しており、現在は米国、オーストラリア、チリ、ウルグアイの4ヵ国でプロジェクトを展開中です。将来的には年間400万トンのe-メタノールを生産することを目指しています。
JOGMECの出資の詳細
JOGMECの出資は、2024年7月10日に正式に採択され、出資額は36百万ドルと見込まれています。この決定は、技術的な側面、経済性、経営能力、政策的重要性など様々な観点から評価された結果です。また、経済産業大臣との協議も行われ、全体の合意のもとに遂行されています。
出光興産は、HIF Global社の事業成果を本邦に持ち込み、合成燃料のサプライチェーン構築に向けた取り組みを強化する方針です。これにより、国内外での合成燃料の供給体制を確立し、今後の脱炭素化に貢献することを目指します。
まとめ
JOGMECのHIF Global社への出資は、合成燃料という新しいエネルギー市場への取り組みとして日本にとって非常に重要です。出資によって、国内外でのエネルギーの脱炭素化が進むことが期待されており、持続可能な社会の実現に向けた一歩として注目されています。これからの動向に注目し、合成燃料の活用が普及することで、地球環境への貢献が進むことを願います。