若冲「釈迦十六羅漢図」復元
2024-07-04 13:14:08

TOPPAN、幻の伊藤若冲作品「釈迦十六羅漢図屏風」をデジタル推定復元!白黒図版から色鮮やかに蘇る

印刷会社大手の凸版印刷株式会社(TOPPAN)は、日本を代表する絵師、伊藤若冲の幻の作品「釈迦十六羅漢図屏風」をデジタル推定復元しました。この作品は、現在行方不明で、焼失した可能性が高いとされています。唯一残された白黒の図版画像をもとに、最新のデジタル技術と美術史家の専門知識を駆使して、失われた色彩を復元しました。

TOPPANは、これまでにもデジタル技術を活用した文化財復元に取り組んできました。今回の復元では、白黒図版を高精細にスキャニングし、伊藤若冲の他の作品や、当時の絵具などを参考に、色を推定しました。さらに、特殊な印刷技術を用いることで、絵具の質感までも再現。従来の複製絵画では実現できなかった、立体的な表現にまで成功しました。

復元の監修には、日本美術史家の山下裕二氏(明治学院大学教授)と、荒井経氏(東京藝術大学教授)が携わりました。山下氏は、「デジタルとアナログの融合の成果」とコメント。荒井氏は、「手わざの極限をデジタル技術で再現」と、今回の復元の技術力を高く評価しています。

「釈迦十六羅漢図屏風」のデジタル推定復元は、10月よりTOPPAN小石川本社ビル地下1階に開設される「デジタル文化財ミュージアム KOISHIKAWA XROSS®」で一般公開されます。このミュージアムは、デジタル技術を活用した新しい文化財の鑑賞体験を提供する施設として、注目を集めています。

今回の復元は、失われた文化財をデジタル技術で蘇らせる可能性を示す、画期的な取り組みと言えるでしょう。今後、デジタル技術を活用した文化財復元がますます発展していくことが期待されます。


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