メルクが再生可能エネルギーの導入を決定
メルクエレクトロニクス株式会社が再生可能エネルギーの導入に向け、全国的な半導体関連事業における電力使用を約30%置き換える取り組みを開始しました。これは中部電力ミライズとの間で結んだ新たな契約によって成し遂げられたものです。
この契約では、静岡県と三重県にメルク専用の太陽光発電所が設置されることが決定しました。設置される太陽光パネルは合計約2,700kWの出力を持ち、年間の発電量は約286万kWhに達します。これにより中部電力ミライズが発電した電力をメルクに供給し、主に静岡県掛川市の事業所で利用される予定です。
この新しい取り組みは、CO2排出量を削減することを目指しており、年間約1,315トンのCO2を減らす効果が期待されています。2024年度には太陽光発電所が稼働を開始し、持続可能なエネルギーの供給が実現される見込みです。
農業経営の支援に向けた取り組み
さらに、メルクはこの発電所に「営農型太陽光発電」を導入します。これは、発電設備の下で農作物を栽培する新たなモデルであり、農業経営者にとっての収益源とし、農業とエネルギー生産の双方にプラスの影響を及ぼすものです。農作物の販売に加え、発電による売電収入も得られるため、地域経済の活性化にも寄与すると考えられます。
メルクの未来に向けた計画
メルクは2040年までに気候中立を実現することを目指し、2030年までに温室効果ガス排出量の半減を図っています。具体的には、自社施設でのスコープ1及びスコープ2の削減を目指し、環境への配慮を強化していく方針です。また、2030年までには、自社のグローバルサイトにおいて、使用する電力の80%を再生可能エネルギーで賄うことを掲げています。
日本国内での再生可能エネルギーの推進
すでに静岡事業所内には太陽光パネルが設置されており、日本における再生可能エネルギーの利用も積極的に進めています。これにより、メルクは国内の半導体関連事業においても、電力の80%を再生可能エネルギーで賄うことを目指しており、今後の展開が期待されています。
このように、メルクは技術革新だけでなく、環境に配慮した事業展開を進めることで、持続可能な社会の実現に貢献しています。再生可能エネルギーの導入は、環境問題に対する対応策としても注目されており、今後の業界全体の動向に影響を与える要因となるでしょう。