産後ケアの新たな選択肢「YUARITO DAY」初のイベントレポート
2023年9月17日、産後ケアエキスパートの「ジョサンシーズ」と三菱地所が協力し、日帰り型産後ケア施設「YUARITO DAY 日本橋浜町」の開業を記念した座談会と施設見学会を開催しました。このイベントでは、実際に産後ケアを経験した母親たちが集まり、参加者同士で体験や意見を共有し、今後の産後ケアに求めることについて深い議論を交わしました。
イベントの内容
座談会は、三部構成で行われました。まずは参加者の紹介と産後ケア事業の立ち上げの背景が語られました。三菱地所の「YUARITO」を支える内田沙紀さんとジョサンシーズの代表、渡邊愛子が登壇し、産後ケアの重要性と個々の体験談を交えて討論しました。内田さんは、自身の出産経験がこの事業の開発にどのように影響を与えたかを詳しく説明しました。渡邊も、社会における産後ケアの浸透がまだ進んでいないことに触れ、支援の必要性を訴えました。
続く第2部では、実際に産後ケアを利用した母親たちによる座談会が行われ、参加者はそれぞれの「産前産後のモチベーショングラフ」を作成し、心の変化とニーズについて話しました。感情の起伏が多い妊娠期から出産後の回復に至るまでの様々な体験が共有され、特に産後うつの恐れがあった参加者がケアを受けることで心身の安定を取り戻せたという具体例もありました。
ママたちの体験談
参加者はそれぞれの声を通じて産後ケアについての新たなニーズを示しました。一人の参加者は、「専門的な知識を持っている助産師のサポートがあれば、私の子どもに合った育児ができると思った」と話しました。他にも、出産から早く仕事に復帰したいが、自分自身の体調への不安があったため、早めにサポートを受けたという意見もありました。
多くの参加者が、このイベントを通じて心身の健康を取り戻し、自信を持って育児に取り組めるようになったと報告しました。出産後2日目からの歩く指導が心の支えになった方や、初めての出産では産後うつが心配だったため、外部からのサポートが大切だと感じた参加者もいました。
課題とサポートの必要性
イベントを経て、参加者が直面する多くの課題が浮き彫りになりました。特に体調の変化や育児疲れ、メンタルヘルスの問題が大きな影響を与えていることが指摘されました。育児の孤独感や職場復帰の不安も重要なトピックとして挙げられ、社会的なサポートの不足が痛感される場面が多くありました。
このような課題に対し、産後ケアによるサポートが自己回復の助けになると同時に、参加者同士での情報共有が重要であることも明確になりました。幼い子どもを持つ母親同士のつながりは、強いサポートネットワークを形成し、孤独感を軽減させる要素となります。
施設見学とサービスの特徴
第3部では、オープンしたばかりの「YUARITO DAY 日本橋浜町」を見学しました。ここは、産後の母親と1歳未満の赤ちゃんを対象にした施設で、ボディケアや育児相談など、充実したサポートを提供しています。特に託児サービスがあるため、赤ちゃんを預けてリラックスした時間を過ごすことができます。
施設の特徴
- - ラウンジ&プレイエリア: 知育玩具や絵本が用意されており、30分のワークショップではベビーマッサージやアート活動も行えます。
- - ベビーケアエリア: 助産師による育児相談や母乳相談が可能です。
- - ケアルーム: リラクゼーションボディケアが受けられ、施術中はスタッフが赤ちゃんを見ていてくれます。
このように、参加者たちが「YUARITO DAY」での体験を通じて、より良い産後の生活を実現できることを期待しています。そして、今後も産後ケアの必要性を伝え、社会全体が理解を深められるような活動が継続されることが望まれます。