離乳食期の乳児における栄養素摂取の実態調査
2026年1月30日から2月1日に開催される第29回日本病態栄養学会年次学術集会で発表される調査結果には、離乳食期の乳児が直面している栄養素の摂取不足問題が浮き彫りになりました。この共同研究には、尾張こどもの睡眠・呼吸・アレルギークリニック、社会医療法人杏嶺会一宮西病院、株式会社ナチュラルサイエンスなど、複数の専門機関が参加しており、体系的な栄養調査が行われました。
調査の背景と目的
乳児が母乳や育児用ミルクから、多様な食品へと移行する離乳食期は、健やかな成長にとって特に重要な時期です。しかし、栄養素の摂取状況を初期から後期まで定量的に評価した報告は限られています。本研究では、食事内容や栄養素摂取状況を詳細に調査し、これらの特徴を明らかにすることを目的としました。これは「すくいく138スタディ」に基づくものです。
調査方法
研究チームは、健康な乳児を対象に、離乳食の初期・中期・後期において3日間連続で食事記録と授乳状況を調査しました。そのデータを基に、1日当たりの平均エネルギーや栄養素の摂取量、食品群別の摂取状況を算出し、離乳食と人工乳の併用群と、離乳食のみを摂取している群との比較が行われました。
研究メンバー
- - 尾張こどもの睡眠・呼吸・アレルギークリニック:杉山剛(元一宮西病院所属)
- - 社会医療法人杏嶺会一宮西病院:根本蓉子
- - 株式会社ナチュラルサイエンス:藤浪未沙、安藤希
調査結果と考察
調査の結果、離乳食期の乳児は月齢に応じて食品の多様性が増すものの、カルシウムと鉄の摂取不足が依然として懸念される結果となりました。特に中期から後期の乳児において、離乳食専用の栄養を摂取している子どもたちは、カルシウムや鉄のみならず、ビタミンDやEの摂取にも不足が見られる傾向にありました。
これらの栄養素の不足は、ビタミンD欠乏性くる病や鉄欠乏性貧血のリスクを高めるため、保護者への栄養指導が急務であるといえます。
研究の意義
この研究は、離乳食期における栄養の重要性を再確認し、今後の育児に役立つ情報を提供することを目指しています。親たちが栄養に気を使うことで、健やかな成長を支えることが期待されます。
研究の今後
この調査を踏まえ、今後もさらなる解析が行われ、離乳食期の栄養摂取に関する詳細な研究が進められる予定です。最終的には、これらの成果が母親や保護者に具体的な栄養指導を提供し、子どもたちの健やかな成長に寄与することを目指しています。
国立京都国際会館での学会開催に伴い、より多くの専門家が集まることで知見と意見の共有が行われ、研究の質が高まることが期待されます。