視覚障害に対する理解を深めるための新しい試みが始まります。PLAYWORKS株式会社は、視覚障害の中でも特にロービジョン(弱視)の方々が経験する見えにくさを手軽に体感できる「ロービジョン体験キット PLAYWORKSモデル」を発表しました。このキットは、2024年10月1日から一般向けに発売される予定で、視覚の多様性を認識するための重要なツールとなります。
1. ロービジョンとは?
ロービジョンは、全盲とは異なり、部分的に視覚を有している状態を指します。見え方は人それぞれであり、「見えない」とひとまとめにできるものではありません。コントラスト低下や視野狭窄、中心暗転といった見え方の違いを感じることができる本キットは、普段の制作物がどのように見えるかを確認するためのものでもあります。
2. ロービジョン体験キットの内容
キットには以下のものが含まれています:
- - メガネ制作シート
- - リーフレット
- - 制作用クリアファイル
これにより、簡単に自分だけのロービジョン体験メガネを作ることが可能です。リーフレットはB5サイズで、実際の制作シートのサイズも44.5×21cmとなっており、このツールを通じて視覚の違いを体験できます。
3. どのように役立つのか?
ロービジョン体験キットは、さまざまな場面で活用できます。例えば、自分の作成した資料がどう見えるのか確認したり、身近なロービジョンの当事者の視界を再現したりすることが可能です。また、ワークショップなどのアイスブレイクとしても利用されることが期待されています。
4. 寄贈活動
2024年9月には、視覚障がい者に関わる教育や支援を行う「視覚障がい乳幼児研究会」に300セットを寄贈。これは教育支援に役立てられることを目的としています。
5. 発売とワークショップ研修
「ロービジョン体験キット PLAYWORKSモデル」は、社会福祉法人日本ライトハウス情報文化センターや社会福祉法人京都ライトハウスなどで販売されます。さらに、PLAYWORKS株式会社ではこのキットを活用したワークショップの提供も行っており、アクセシビリティや合理的配慮についての教育を行っています。
6. 展示会情報
また、さまざまな展示会やイベントでキットを体験する機会も設けていますので、ぜひ会場にも足を運んで実際に触れてみてください。
このように「ロービジョン体験キット」は、視覚障害への理解を深めるだけでなく、インクルーシブな社会の実現にも寄与する重要な試みです。この取組みを通じて、より多くの人々が視覚障害についての理解を深め、社会全体の意識を高めていくことが期待されます。