次世代テクノロジーを支える新電元工業のSiC-SBD
新電元工業株式会社が、2025年3月から高電圧機器向けのSiCショットキーバリアダイオード「WSシリーズ」のサンプル出荷を始めることを発表しました。この新製品は、効率的な電源供給が求められる産業と民生用機器向けに設計されており、省エネが重要視される現代において大きな注目を集めています。
SiC-SBDがもたらす革新
省エネ化が進む今日の技術環境では、従来のファストリカバリダイオード(FRD)は次第にその役割をSiC-SBDに譲る形となっています。SiC-SBDは高速動作が可能であり、特に高周波化に伴う小型化、軽量化にも対応が期待されています。ただし、小型化を進める中でスイッチングノイズ対策の重要性も増してきます。
新電元工業の「WSシリーズ」は、従来のFRDと比較し、VF(順方向電圧)を約50%、リカバリ特性を約85%低減しています。これによりスイッチング損失が劇的に削減され、機器全体の効率化が促進されるのです。また、IRP(逆回復電流)も約70%改善されているため、スイッチングノイズを大幅に降低することが可能です。これにより、周辺回路の小型化にも貢献します。
AEC-Q101準拠で車載製品にも対応
さらに、この新シリーズはAEC-Q101準拠が予定されており、車載用製品にも対応可能です。具体的な用途としては、サーバー電源、産業機器の電源、民生用家電、オンボードチャージャー、DCDCコンバータ、PFC回路などが挙げられます。これにより、自動車分野における高性能デバイスの必要性に応えることが期待されます。
今後の展望
新電元工業は、1949年の設立以来、パワー半導体やスイッチング電源の分野で革新的な技術を活用し、多くの製品を開発してきました。今後も持続可能な社会の実現に寄与するため、独自の技術をさらに応用し続ける意向です。最新情報は新電元工業のウェブサイト(https://www.shindengen.co.jp/)で確認することができます。
新製品の発売は2026年8月を予定しており、このSiC-SBDの技術革新が、さらに電力エレクトロニクスの進化を促すことが期待されています。