流通業界における自動化の新時代を切り開く
デジタル通貨フォーラムのインボイスチェーン分科会は、流通業界の企業間決済に革新をもたらすべく、トークン化された預金と流通BMSを活用した実証実験を行いました。今回の試みは、株式会社ディーカレットDCPが事務局を務めるこの分科会において、7つの企業が共同で進めたものであり、その成果として法人企業間の受発注から債権管理までの流れを自動化する可能性が示されました。
1. 実証実験の背景と目的
企業間の請求業務は、システムのサイロ化によって効率が悪化しています。通常、売掛金や買掛金の差額を解消するには多くの人的リソースが必要ですが、今回の実証実験はこの課題に挑戦します。インボイスチェーン分科会では、EDI非利用企業と利用企業の業務フローの違いを考慮し、様々なユースケースに応じた実施計画を策定し、2026年3月には現行の紙の請求書からのペーパーレス化を目指しています。
2. 実証実験の概要
今回の実証実験は主に流通業界の標準規格である流通BMSを使用し、その結果として受発注から決済、消込までのプロセスをデジタルで完結させることを目指しました。具体的には、ツルハグループが保有するデータを基に、商取引トークンを生成し、DCJPYによる支払いを行い、その後債権管理システムとの連携を検証しました。全てのプロセスはスムーズに連携し、業務の合理化を図ることができました。
3. 実証実験の成果と評価
実証実験の結果、以下のことが確認されました。
- - DCJPYによる支払い完了:受領メッセージと返品メッセージを基にした合算データが適切に生成され、DCJPYでの支払いが完了しました。
- - 債権管理システムへのデータ生成:債権データとの照合用の消込ファイルが生成され、問題なく連携できることが確認されました。
これにより、受発注システムからのトークン化預金を利用した直接的な支払い処理が可能となり、業務の自動化と効率化が期待されています。
4. 今後の展望
短期的には現在の業務フローを変えずに、売上と入金の確認・処理の自動化を通じて効率化を図ります。長期的には、業務フローをリデザインし、完全無人化を目指します。これにより、経理部門の作業負荷軽減や、企業全体の業務効率向上が見込まれています。
まとめ
この実証実験は流通業界のビジネスモデルを変革し、経理業務の負担を大幅に軽減することが期待されます。今後の展開に注目が集まる中、トークン化預金とBMSを活用した新たな流通システムの開発が進むことが予想されます。