住まいに関する意識調査の結果
2024年12月、株式会社クロス・マーケティングが全国の18歳から79歳の男女3,000名を対象に行った「住まいに関する実態・意識調査」によって、現代人が描く理想的な住まいの条件や、近隣住民との関係性についての興味深いデータが得られました。今や安全で快適な住まいを求める声は、年齢を越えて共通するものとなっています。
調査の概要
本調査は「定点ココロスタイルリサーチ」の一環として行われ、参加者の意識やライフスタイルの変化を捉えることを目的としています。特に、現在の住まいと周辺環境への満足度、住まいに関する意識、理想の近所とのコミュニケーション、さらに自宅に帰る際の気持ちなどに焦点を当てて分析しました。
住まいに対する満足度
調査結果によれば、現在の住居に対して「非常に満足」または「やや満足」と回答した人は62%、周辺環境への満足度は65%に上りました。年齢が高くなるにつれ、この満足度は増加する傾向があり、特に70代では満足度が7割を超えました。
理想の住まいに関する意識
「耐震性のある家」に住みたいとする希望は79%、「セキュリティシステムが完備された家」には69%、そして「バリアフリーの住宅」は61%が求めています。また、将来的な経済的な面から「自分の家を持ちたい」と考える人や、環境保護を意識した住宅を選びたいという人も数多く見受けられました。
これらのデータは、住宅選びにおいて何が重視されているのか、年代ごとの意識の違いが現れていることを示しています。
近所との関係性
興味深いのは、近隣住民とのコミュニケーションに関する結果です。約44%が「会えば挨拶をする程度」と答え、26%は「どのような人がご近所なのか知らない」と話しています。特に18~29歳、30代では「知らない」が4割を占めており、若年層は近所付き合いに後ろ向きな傾向があることが伺えます。
それに対し、70代では「たまに立ち話をする」という回答が4割を越え、世代が上がるほどコミュニケーションが活発になる様子が印象的でした。65%が「挨拶をする程度にとどめたい」との意見を持っていることから、近隣関係のあり方に対する考え方が年齢によって異なることが明らかになりました。
自宅へ帰るときの感情
外出先から自宅へ帰る際、「早く家に帰りたい」と感じる人は71%。この割合は、若い世代よりも年齢が高くなる程強くなり、70代では87%に達しています。一方で、帰宅時に「気が重くなることがある」との回答は15%で、特に若い世代でその傾向が顕著で、他の世代よりも高い数値を示しました。
おわりに
これらの調査結果は、現代の住宅に求められる条件や、近隣住民との関係性が幅広い世代に共通するテーマであることを示しています。耐震性、セキュリティ、バリアフリーは単に生活の快適さを求めるだけでなく、安心と安全を大切にする時代のニーズを反映していると言えます。今後も、このような調査を通じて、人々の住まいに対する意識の変化を追っていくことが重要です。