ロシア侵攻を描く芥川賞候補作『小隊』がコミック化！

コミック『小隊』の誕生

北海道に侵攻するロシア軍とそれに対抗する自衛隊の姿を描く話題のコミック『小隊』が、2025年3月21日に発売されました。この作品は、芥川賞候補作として名を馳せた元自衛官・砂川文次の原作を基にしており、人気の漫画家・柏葉比呂樹の手によって見事にコミカライズされています。

物語の背景

物語の舞台は、ロシア軍による北海道侵攻という緊迫したシナリオ。新千歳空港など重要施設にミサイル攻撃が行われ、ロシア軍は道北と道東の二方面から上陸してきます。自衛隊は、釧路に展開する第27戦闘団を中心に防衛態勢を整え、住民の避難誘導を担当する若き小隊長、安達が中心となって戦いに挑む様子が描かれています。

物語が進むにつれ、安達は中隊指揮所からの呼び出しを受け、ロシア軍の接近を知ることになります。この緊迫した状況下で、彼らはどのように“ホンモノの戦闘”に立ち向かうのでしょうか。

原作の魅力とコミックのアプローチ

砂川文次の原作では、従来の戦争描写とは一線を画したリアルな戦場シーンが多くの読者の共感を呼びました。彼の作品は、私たちが考える以上に戦争の厳しさとその現実を伝えています。コミック版では、柏葉比呂樹がそのビビッドな作画力を駆使し、より迫力ある戦車や軍装備、銃器の描写を可能にしています。

現在の時勢と作品への期待

この作品は、ウクライナ戦争を背景にしているため、現在の国際情勢においても高い関心を持たれています。特に、トランプ前大統領の影響でその帰趨が不透明になる中、読者は本作を通じて現実への理解を深めることでしょう。また、発売前から多くの書店で事前注文が集まっている点も注目です。

クリエーターたちの思い

原作者の砂川文次は「この作品は、現実に肉薄した覚悟の記念碑だ」と表現し、自衛隊の約30名が圧倒的な敵軍を前にどう戦うのか、その壮絶な姿を描いています。また、漫画家の柏葉比呂樹は「目と鼻の先にロシアの存在がある北海道に住んでいる自分だからこそ、これを描きたい」という思いを語り、作品への情熱を注ぎました。