不動産情報提供メディア『イエコン』を運営する株式会社クランピーリアルエステートが、事故物件に関するアンケートを実施しました。全国の969人を対象に行われたこの調査の結果、男性の73%、女性の92%が事故物件に住むことに抵抗を感じていることがわかりました。これらの数値から、事故物件に対する一般的なイメージが浮き彫りにされます。
ただし、調査の過程で見えてきたのは、家賃が安ければ問題ないとする意見や、部屋が清潔であれば住めるという考え方も多かった点です。当記事で取り扱う事故物件とは、特に「自然死や不慮の事故死以外の死」や「特殊清掃が必要となる死亡」に該当する物件と定義します。
多くの回答者が、孤独死や自然死であれば許容できると感じていることにも驚きました。調査の中で、特に「特殊清掃が行われた物件」であれば心理的に住みやすいという意見が寄せられました。実際に、事故物件の内容によりは許容範囲が変わる傾向も見受けられます。
男女間における認識の差も興味深い結果をもたらしました。事故物件に対してそれほど抵抗がないと答えたのは男性が26%、女性はわずか8%でした。この数字からは、男性が相対的に事故物件に対して寛容な意識を持っていることが浮き彫りになります。
ここで、事故物件に対する抵抗がないとお答えた方々の意見を紹介します。多くは「霊を信じていない」「部屋の見た目がきれいであれば問題ない」「家賃が安い方がいい」といった内容でした。このように、霊的な存在を気にしないという意見が根強く、また、部屋の状態に対する重視が伺えます。
『部屋がきれいなら問題ない』との意見もありました。清掃済みの事故物件であれば、通常の住宅と大差ないと考える人が少なくありません。見えない力を恐れるよりも、目の前の生活空間を重視する姿勢が感じられます。また、家賃が安いことが第一の魅力だとする声も多く、霊の存在を信じない方々にとっては、当たり前の生活条件として捉えられています。
一方、事故物件に対する抵抗感が強いと回答した方々は、主に「祟りがある」「縁起が悪い」「実際に霊感があるから」といった理由を挙げています。このような意見からは、霊的な要素が生活にマイナスの影響を及ぼすと感じる方が多いことがわかります。
照明を暗く感じる、霊感の存在に対する拒否反応など、科学で解明できないような感情的な要素が強く影響し合っているようです。さらに、事故物件に基づく縁起の悪さを感じるという意見も根強く、実際に物件に対して直面する安心感を求める一方、心的負担の懸念も大きなポイントとして浮上しました。
この調査では、事故物件にどれだけの家賃が妥当かについても尋ねられました。その結果、賃貸物件であれば「2万円未満」が最も支持を集め、事故物件が家賃については特に厳しい見解が示されることがうかがえました。また、持ち家を考える際にも、やはり最も安い価格帯を求める傾向があり、その中でも安さが重視されることが興味深いです。
最後に、隣の部屋が事故物件になった場合の意見も見逃せません。男女の意見に差があり、男性が「住み続ける」と回答したのに対し、女性は「引っ越す」という選択が多く見られました。このことから、事故物件への受容性が性別によって異なることも読み取れます。
この調査を通じて見えてきたのは、事故物件についての心理的な壁はあっても、条件が整えば許容しようとする声が多いことでした。家賃や部屋の状態により、生活していく上での選択肢は増えているのかもしれません。所詮は住空間として見る視点が増えていく中で、事故物件への理解も進み、今後の住まい探しに新たな可能性をもたらすことを期待したいと思います。