火災時にも安心!新開発の遮熱性能を持つ防火シャッター
株式会社大林組と三和シヤッター工業が共同開発した「スプリットシータ™」は、火災時に延焼を防ぐための新しい防火パネルシャッターです。90分間の遮熱性能を実現し、2025年に国土交通大臣から認定を受ける予定です。これは木造建築の推進が求められる中で、火災対策に特化して開発されたものです。
1. 開発の背景
2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、建設業界では木造化のニーズが高まっています。建築基準法においても、木造の開口部には遮熱性能を有する防火設備の設置が求められています。しかし、これまでの防火シャッターは常時閉鎖が必要で、開口部を大きく取ることが難しいという課題がありました。
そこで、大林組と三和シヤッターは、この課題を解決するためにスプリットシータを開発しました。これにより、木造化を推進しながらも、利便性を確保できるようになりました。
2. スプリットシータの特長
(1) 最先端の遮熱と遮煙性能
スプリットシータは、遮音・遮煙性能を持つパネルシャッターと発泡性耐火被覆シートを組み合わせています。従来の防火シャッターは炎の遮断に特化していましたが、スプリットシータは加熱時に発泡し、断熱層を形成することで優れた遮熱性能を発揮します。この新技術により、火災時でも非加熱面の温度を200℃以下に抑えることができます。
(2) 常時閉鎖の必要がない開放感
この防火シャッターは、火災が発生した際に自動的に閉まる仕組みを取り入れているため、普段は常に開放的に使用することが可能です。これにより、建物内部に連続した空間を作り出し、開放感を与えることができます。
(3) 木造部分に対応可能
法改正により部分的な木造化が可能になったため、スプリットシータは特に木造建築の開口部に適しています。これにより、安全性と利便性を兼ね備えた新しい建築空間の実現が期待されています。
3. 今後の展望
大林組はスプリットシータを活用し、木造・木質化へのニーズに応えるとともに、安全で快適な空間づくりを提案していきます。今後も脱炭素社会の実現に向けて、持続可能な建築に貢献していく方針です。利便性と安全性を兼ね備えたスプリットシータは、これからの建築の未来を切り開く存在として注目されています。