MantraがNEDOの支援事業に採択
日本のマンガ業界は、世界中で人気を集めていますが、その言語バリアが多くの作品が海外に届かない原因となっています。そんな中、マンガの機械翻訳に特化した技術を開発する
Mantra株式会社が、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の
「ディープテック・スタートアップ支援基金」に採択され、注目を集めています。
Mantraの技術力
Mantraは、2020年に設立された企業であり、そのスローガンは「世界の言葉で、マンガを届ける。」です。この理念のもと、同社はマンガや小説に特化したAI技術の研究開発や翻訳サービスを提供してきました。具体的には、マンガを用いた英語学習アプリ「Langaku」なども展開しています。自社の技術により、これまで数々の受賞歴もあり、業界内での信頼性がうかがえます。
NEDOの支援を受けて、Mantraはさらなる技術革新を目指し、社会に貢献することを希望しています。その支援事業は、
ディープテック・スタートアップを対象とし、リスクは高いものの、イノベーションを促進することを目的としています。
翻訳技術の可能性
現在、マンガ翻訳は多くの課題を抱えています。特に翻訳作業がボトルネックとなり、日本で生まれた作品が海外で出版されないケースが多々存在します。そこでMantraは「読者が楽しんで読める」翻訳を実現するため、次世代のAI技術を駆使した研究開発に取り組んでいます。具体的には、以下のような研究成果を上げています。
- - Context-Informed Machine Translation of Manga: 文脈を意識した翻訳手法の研究(Lippmann et al., COLING 2025)
- - Zero-Shot Character Identification: 漫画におけるキャラクター識別技術の開発(Li et al., ACMMM 2024)
- - Automated Manga Translation: 自動翻訳のための長いコンテクスト利用技術(Kaino et al., LREC-COLING 2024)
これらの研究は、マンガの翻訳精度を高めるための重要な基盤となります。そして、NEDOの支援が得られたことで、さらに加速されることが期待されます。
採用計画と今後の展望
今回のNEDO採択を受け、Mantraは新たな人材を募集しています。自然言語処理や画像処理、機械学習に特化したエンジニアを求めており、共にマンガ翻訳技術の未来を築いていく仲間を歓迎します。詳細は同社の採用ページで確認できます。
このように、Mantraは機械翻訳の界隈で新たな風を吹き込む企業として注目されています。マンガ翻訳技術の発展が、世界中の読者に新たな体験を提供する日も近いかもしれません。
会社概要
- - 社名: Mantra株式会社
- - 代表者: 代表取締役 石渡 祥之佑
- - 所在地: 東京都文京区後楽2-3-21 住友不動産飯田橋ビル 2F
- - 設立日: 2020年1月28日
- - 資本金: 1,000,000円
- - 事業内容: マンガに特化した機械翻訳技術の研究開発
- - URL: https://mantra.co.jp
まとめ
今後もMantraの動向に目が離せません。彼らが実現するマンガの未来、そして国境を越えて多くの人々に愛される作品を届けるための技術革新に期待が寄せられます。