株式会社イムノロックの資金調達について
神戸市に本社を置く株式会社イムノロックが、第三者割当増資を通じて1億8370万円を調達しました。この資金調達は、株式会社神戸大学キャピタル及び大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社からの投資によるもので、がん治療における画期的な進展に向けた一大ステップとなります。
当社は、ビフィズス菌を利用した新しい経口ワクチンプラットフォーム技術を持つ創薬スタートアップとして、2021年に設立されました。現在、経口がん治療ワクチン(B440)および新型コロナウイルス予防ワクチン(BCOV332)の開発に取り組んでいます。
B440の開発と進捗
特に、B440は既に医師主導の臨床試験が進行中で、2023年1月から転移性尿路上皮がん患者を対象に行われた第Ⅰ相試験では、神戸大学、広島大学、および浜松医科大学の協力を得て安全性が確認されています。
2025年5月には治験終了届が受理され、シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会の年次総会においても、B440の試験結果が報告されました。この研究は、がん免疫療法の新たな可能性を示すものとして注目を集めています。具体的には、B440は細胞傷害性T細胞を強力に誘導し、非臨床試験でも抗腫瘍効果が実証されています。
新型コロナウイルスとの併用効果
加えて、B440は代表的ながん免疫療法剤との併用によるさらなる効果も期待されています。大きな可能性を秘めたこのワクチンは、国内外での医療現場からの期待を集めています。
経口ワクチン技術の革新
当社の革新的なアプローチは、ビフィズス菌を用いて抗原タンパクを腸管免疫系に届けることを目指しています。従来の経口ワクチンの課題を克服し、B440は腸内での効果的な抗原提示を可能にしました。この技術により、がん細胞に対する強力な免疫反応が期待されます。
未来への取り組み
今回の資金調達を受け、当社は希少疾病である悪性胸膜中皮腫患者を対象とした医師主導の治験を進める計画です。2025年10月から始まるこの試験を通じて、B440をできる限り早く患者様に届けることを目指します。
会社概要
株式会社イムノロックは、神戸市中央区に本社を置き、代表取締役CEOは白川利朗氏です。ビフィズス菌を利用した経口ワクチンの開発に注力し、世界初となる経口がん免疫療法剤を目指す企業です。
今後の進展が期待されるイムノロックの動きに注目です。