国立音楽大学で誕生したフォルテピアノの魅力とイベント情報

新たなフォルテピアノ誕生

国立音楽大学の楽器学資料館は、創立100周年を記念して、18世紀の名匠アントン・ワルターが手掛けたフォルテピアノの複製を製作しました。この楽器は、キャンパスのシンボルツリーを用いており、楽器製作の専門家である太田垣至氏が製作を担当しました。これにより、大学は新たな時代への一歩を踏み出しました。

フォルテピアノの意義と役割

国立音楽大学では、19世紀のフォルテピアノを多く所蔵しており、鍵盤楽器の歴史を学ぶ授業や演奏研究に活用してきました。しかし、モーツァルトやベートーヴェンの作品を深く探究するためには、18世紀の楽器が不可欠です。オリジナルのフォルテピアノは数が限られ、経年劣化から演奏には細心の注意が必要です。そのため、複製楽器の活用は教育・研究の場において非常に意義深いものとなります。

完成を祝うイベント

新しいフォルテピアノ「くにおんフォルテピアノ」のお披露目コンサートが2025年4月18日に国立音楽大学の小ホールで行われます。このイベントでは、ピアニストの久元祐子氏がフォルテピアノの魅力を解説するとともに、ヴァイオリン奏者の永峰高志氏やソプラノの長島剛子氏と共演します。入場は無料ですが、事前申し込みが必要です。

リサイタルとレクチャーコンサート

2025年6月27日には、ポーランドのピアニスト、トマシュ・リッテル氏による特別リサイタルが開催されます。リッテル氏はショパン国際ピリオド楽器コンクールで優勝した実力派の演奏家で、モーツァルトやベートーヴェンの作品を演奏します。さらに、12月11日には古典派のピアノ作品に関するレクチャーコンサートが予定されています。こちらも事前申し込みが必要ですが、参加は無料で、興味深いお話が聞ける貴重な機会です。