SEO推進に立ちはだかる壁と解決の糸口
ナイル株式会社による新たな調査から、SEOに取り組むデジタルマーケティング担当者の多くが直面している課題が明らかになりました。全国275名の調査対象者から、成果を上げる上での「壁」についての意見が収集されています。このデータは、SEO推進を成功に導くための重要な指針になることでしょう。
調査の概要
調査は2023年9月1日から3日までの期間に行われ、インターネット調査を通じて実施されました。対象者はデジタルマーケティングに従事する人々で、得られた結果はSEO推進に必要な知識や体制の重要性を示しています。
主な障壁
主な課題として最も多く挙げられたのが「知識不足」です。実に53.1%の担当者が、SEOに必要な知識やスキルを身につけていないと感じています。SEO施策は常に進化しているため、担当者は絶えず情報を更新する必要がありますが、多忙な業務に追われる中で学習が難しいという実情があります。
次に多かった要因は「社内理解不足」で、47.6%の担当者が他の部門との協力が得られないことを課題に挙げています。SEOの活動が会社全体に与えるインパクトを経営層が理解せず、優先度が低く扱われるケースが多いのです。このように、スキル不足と部門間の協力欠如がSEO施策の進展を妨げています。
さらに42.5%の担当者が「実装リソースの不足」を指摘しており、施策の成功には開発やデザインのリソースが必要不可欠ですが、これらを確保できないために施策が後回しにされがちです。
施策の領域別課題
具体的には、56.5%の担当者が「コンテンツ制作」に課題を感じており、質の高いコンテンツを継続的に公開することが難しくなっています。E-E-A-T (Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness)に準拠したコンテンツ制作には専門的なスキルが必要で、適切な制作体制が欠如しがちです。
また、「テクニカルSEO」に関しても、45.1%が課題を感じています。技術的最適化に関する専門知識だけでなく、開発体制との連携が求められ、これがさらに課題を複雑化しています。いずれの施策も、効果が見えにくいために優先度が低くなる傾向があります。
社内調整の苦労
SEOを推進する上で、特に大きな調整が必要なのは「開発部門」と「デザイン部門」です。「開発部門」が最も難しいとされる背景には、SEO施策と緊急タスクの優先順位の違いが影響しています。自社のシステムの不具合に対応する必要がある開発チームは、SEO施策を後回しにせざるを得ないのです。また、デザイン部門とも利害の対立が起きやすく、調整が困難となることもあります。
KIP設定の困難
調査では、SEO成果を社内で評価する際のハードルも明らかになりました。特に、「KPI設定が難しい」という回答が53.1%にのぼり、成果をどの指標で評価すべきかが不明瞭なため、SEO施策の評価基準が揺らいでいることがわかります。データの計測や可視化が不十分であることも問題で、49.5%の担当者がこの点で苦しんでいます。
担当者への提言
SEOを推進するためには、担当者が個々のスキルを磨くことに加え、社内の理解促進が重要です。成果を伝えるためのコミュニケーション能力が求められ、また外部の専門家の力を借りることも一つの解決策です。将来的には、社内での連携を強化し、SEOを成功に導くための環境を整える必要があります。
今回の調査結果は、ナイル株式会社が扱う様々なサービスの必要性を示しており、専門知識の向上と組織内での協力を促進することが、これからのデジタルマーケティングにおける成功の鍵となるでしょう。