工学院大学ソーラーチームの新しい挑戦
工学院大学ソーラーチームは、2025年8月にオーストラリアで開催される「Bridgestone World Solar Challenge(BWSC) 2025」に出場することを発表しました。この大会への参加は6度目となり、10年以上の経験が詰まったチームがさらなる進化を遂げています。新車両「CYGNUS(シグナス)」は、製作過程をほとんど学内で行った初の内製マシンであり、軽量化と整備性に重点を置いた設計が特徴です。
初の内製マシン「CYGNUS」
「CYGNUS」は、その名の通りはくちょう座を意味し、軽量化と整備性を両立させた設計がされています。これまで外部企業に依頼していた製作工程を大部分を学内で行うことで、学生たちの技術力を最大限に引き出しています。炭素繊維の積層や金属部品の加工は、すべて学生自身が手掛け、より実践的な学びを得ています。
特に、ソーラーパネルの配置や配線はシンプルに設計されており、メンテナンスがしやすくなっています。また、ボディはカタマラン型の3輪レイアウトを採用し、空気抵抗を低減しつつ安定した走行性能を確保しています。バッテリーなどの電装部品も車両の左側に寄せて配置され、重量バランスと操縦安定性が最適化されています。
チームの声
車体担当の井上隼輔さん(工学部・機械工学科3年)は、「前回の反省を生かし、トラブルに強く軽いソーラーカーを目指しました。オーストラリアの過酷な環境でもパフォーマンスを発揮できると確信しています」とコメントしています。
チーム監督の濱根洋人教授も、「Designed by 工学院大学、Made at 工学院大学」という言葉を強調し、学内での手作りの重要性を語っています。学生たちによる手作りのマシンは、彼らの成長を象徴し、プロジェクトの意義そのものを体現しています。
工学院大学ソーラーチームについて
工学院大学ソーラーチームは、太陽光を動力源とするソーラーカーを学生を中心に開発するプロジェクトチームです。八王子キャンパスにある「ソーラービークル研究センター」を拠点に、約100名の学生が設計、広報、財務の各部門で活動しています。彼らは次世代エンジニアの育成と再生可能エネルギーの社会実装に貢献することを目指しています。
BWSC2025の詳細
「Bridgestone World Solar Challenge」は、オーストラリアのダーウィンからアデレードまでをソーラーカーで走破する世界的なレースで、2025年は8月24日から31日まで開催される予定です。南オーストラリア州政府の主催で、株式会社ブリヂストンが大会のタイトルスポンサーを務めています。これまでの試合で磨いてきた技術と経験をもとに、工学院大学ソーラーチームは自らの限界に挑戦する準備を整えています。
このチームがどのように進化し、どのような成果を挙げるのか、今後の展開から目が離せません。