東急不動産がニューヨークの賃貸市場に進出
東京本社の東急不動産株式会社は、米国市場への本格進出を果たしました。現地法人であるTokyu Land US Corporation(TLUS)を通じて、ニューヨークのマンハッタンとブルックリンに計354戸の賃貸住宅を取得したとの発表がありました。この取り組みは、将来の成長を見込む賃貸市場の一環であり、国内外の不動産事業をさらに拡張することを目的としています。
ニューヨーク不動産市場の魅力
ニューヨークは世界的に不動産需要が高い都市で、特に賃貸市場は堅調です。新たに取得した物件はいずれも稼働中で、多様な居住ニーズに応えるユニークな構成が魅力です。経済的背景や地域の文化、利便性を考慮した内容が求められている中、東急不動産はその経験を活かして、競争力のある物件を提供します。
取得物件の詳細
1.
グラマシーパーク(204戸)
マンハッタンのグラマシーパークエリアに位置し、閑静な住宅街の中で飲食店や商業施設が充実しています。住戸はスタジオタイプから3ベッドルームまであり、地元のDINKS層を中心とする賃貸需要が期待できます。また、ジムやラウンジなどの共用施設も完備されています。
2.
ブルックリン物件(150戸)
ダウンタウンブルックリンにあるこの物件は、交通の便が良く商業施設も豊富です。共用では屋上テラスやジムがあり、バルコニー付きの2ベッドルーム住戸が中心です。こちらも都心に通うDINKS層や若年層から堅調な需要が見込まれています。
中長期的展望
今回の賃貸住宅へ参入することにより、東急不動産は米国事業基盤を一層強化する狙いです。これまでに同社はオフィス・店舗ビルの開発も行っており、安定した資産を積み上げる姿勢は今後も変わりません。特に、二つの取得物件はCanvas Investment Partnersとの共同事業であり、戦略的なパートナーシップの深化に向けた取り組みも注目です。
海外事業の進展
東急不動産の海外事業は、1973年から始まったグアムでの宅地造成から、米国やアジア全域に拡大しています。現在、アジアの教育市場を意識した事業展開も視野に入れており、さまざまな地域における不動産開発に貢献しています。
環境経営と持続可能性
また、東急不動産は環境経営へも積極的に取り組んでおり、2021年には「GROUP VISION 2030」を発表。再生可能エネルギーへの切り替えを進め、2030年には環境先進企業を目指す姿勢を見せています。持続可能な発展と成長を同時に追求する姿勢が、多くの投資家や顧客の信頼を集めています。
今後の東急不動産の展開に注目です。