日本全国のアウトドアガイド・教育者が集結!Japan Outdoor Leadership Conference 2024開催レポート
2024年6月18日から20日にかけて、一般社団法人Wilderness Education Association Japanと特定非営利活動法人Leave No Trace Japanの共催で、Japan Outdoor Leadership Conference 2024が開催されました。
3日間で延べ150名以上の参加者が集まり、教育、観光、リスクマネジメントという3つの観点から、海外ゲストや各スペシャリストによる講演や、西多摩地域のフィールドを活用したワークショップが行われました。
最終日には、西多摩4市町村の首長を招き、「LNTと地域観光」をテーマに地域住民参加型のシンポジウムを開催。大盛況のうちに幕を閉じました。
来年は、北海道のオホーツク・知床での開催が決定しています。
各日のハイライト
DAY1:世界のアウトドア産業からのエール
アメリカから、野外教育法を確立し普及させたジャック・デュルーリー氏(Leading EDGE, 共同オーナー兼CEO)が登壇。「Backcountry Classroom」の著者でもあるデュルーリー氏は、アメリカでの野外教育の現場や、教育論・教育法を確立するまでの歴史的な背景、研究・大学などの教育機関の状況、社会的な仕組みについて詳しく解説しました。
DAY2:西多摩の自然環境を活用した実践的なワークショップ
西多摩地域の自然環境を最大限に活用し、ラフティングを通したガイド育成の課題解決体験など、複数のワークショップが開催されました。
さらに、LNT awardやチャリティーオークションも行われ、参加者同士の交流を深めました。
DAY2:アウトドアフィールドからの命のバトン
2日目のクロストークでは、野外指導者、ガイド、レスキュー、医療といった異なる立場からの専門家が集結し、アウトドアにおける事故発生の最小化と被害拡大抑止について熱く議論しました。
登壇者は、アウトドアエデュケーターの岡村泰斗氏、ラフティングマスターガイドの平井琢氏、減災防災クリエーターの八櫛徳二郎氏、救命救急医師の稲垣泰斗氏。
「教育とリスクのバランス」「事前準備」「現場での判断」「状況の安定化」「リスク共有」などをキーワードに、実践的な内容が語られました。
DAY3:シンポジウム「西多摩から考える『持続可能なアウトドア』の未来」
Leave No Trace Japanと地域連携協定を結んでいる青梅市、あきる野市に加え、奥多摩町、檜原村の西多摩4市町村の首長が集まり、「LNT×地域振興」をテーマに、持続可能なアウトドアの未来についてディスカッションを行いました。
西多摩地域は、豊かな自然とアクセスしやすい立地を生かし、アユ釣り、トレッキング、サイクリング、キャンプなど、多様なアウトドアアクティビティが盛んです。
しかし、近年では観光客増加に伴うゴミ問題が課題となっています。
青梅市では、市職員への環境倫理教育や、学生とのディスカッション、LNTの7原則を掲載した看板の設置など、多角的な取り組みを行っています。
シンポジウムは地域住民にも開放され、活発な意見交換が行われました。
2025年はオホーツク・知床で開催!
2025年は、北海道アドベンチャートラベル協議会が主幹となり、オホーツク・知床で開催されることが決定しました。
世界90か国以上で導入されているLeave No Traceですが、義務教育に取り入れられ、”全国民がLeave No Traceの教育を受けている”唯一の国、アイルランドからもゲストを招く予定です。
Japan Outdoor Leadership Conference 2025開催概要
日時: 2025年6月17日~19日
場所: オホーツク・知床