耕作放棄地を再生する「どんぐリーグ」
2023年11月11日、和歌山県にて第一回「どんぐリーグ」が開催されました。このイベントは、紀州備長炭の原木となるウバメガシのドングリを拾い、植えるスピードを競うものです。参加者たちは自然に関心を持ちながら、環境保護に貢献する機会を得ることができます。
紀州備長炭とウバメガシの重要性
ウバメガシは、日本の伝統的な備長炭作りに欠かせない材木です。この木のドングリを育てることは、再生可能な資源を提供すると同時に、環境保護にも寄与します。また、植えられた苗は2年後に耕作放棄地に植林され、持続可能な森を作る重要な役割を果たします。
梅農家の問題
和歌山県みなべ町の梅ボーイズが活動する地域では、日本一の梅の生産を誇ります。しかし、梅の需要は年々減少し、梅干しの消費量も2002年から2021年で約40%も減少しました。さらに、農家の高齢化と後継者不足により、耕作放棄地が増えている状況です。これらの耕作放棄地は、外来種のクビアカツヤカミキリの繁殖場となり、農作物に深刻な被害を及ぼしています。
持続可能な再生モデル
梅ボーイズは、耕作放棄地の再生のためにウバメガシの植林事業を始めました。これまでの梅畑としての再生が採算が合わないことが判明したため、この新たなアプローチが必要とされました。ウバメガシを植えることで、30年後には紀州備長炭として販売が可能となり、林業業界に新たな息吹をもたらします。
梅ボーイズの理念
梅ボーイズは、「日本の伝統食・梅を後世に残したい」という強い意志を持ったグループです。彼らは無添加の梅干しにこだわり、全国の小売店やオンラインで販売しています。また、SNSやYouTubeを活用し、若い世代に伝統の美味しさを伝える努力も続けています。
おわりに
このどんぐリーグを通じて、梅ボーイズは持続可能な地域社会を目指し、耕作放棄地の再生に挑戦しています。みんなが参加できるこのイベントを通して、環境保護と地域活性化の重要性を感じ取ることができます。どんぐリーグは、ただの競技でない、未来を担う活動の一環なのです。