新規学卒者の離職率が示す、コロナ後の転職活動の新局面
最近の調査によると、新規学卒者の離職状況が明らかになりました。特に、コロナ禍を経た今、転職活動が早期化する可能性が指摘されています。これは企業にとって重要な課題ですが、私たちの未来の労働市場を見通す貴重な指標でもあります。ここでは、セレクションアンドバリエーション株式会社の最新レポートをもとに、その実態を詳しく分析します。
調査の背景と目的
セレクションアンドバリエーション株式会社は、東京都千代田区に本社を持つ組織・人事コンサルティングファームです。彼らが2023年に発表した「新規学卒者の離職状況の実態」というレポートでは、厚生労働省が発表した資料をもとに、新卒者が入社後3年以内に離職する割合について調査を実施しました。これは特に、企業が今後どのように新卒者を定着させるかを考える上で重要なデータを提供します。
離職率の動向
レポートによれば、新卒者の入社3年以内の離職率は、大卒が約30%台前半、高卒が約30%台後半であり、過去10年間にわたってあまり大きな変動は見られません。ただし、大卒よりも高卒の離職率が高い傾向は変わっておらず、特に事業規模が小さい企業において離職率が上昇していることがデータから分かります。
そんな中、コロナ禍の影響を受けて、新卒者の転職志向が変化しつつあります。例えば、2019年から2021年の卒業生においては、特に高卒者の離職率が上昇しており、これはコロナによる不確実性が影響していると考えられます。
新卒者のキャリア意識の変化
コロナを経て、学生たちは今まで以上に業界の成長性を重視し、安定した企業を選ぶ傾向が強まるでしょう。就職活動において、単に企業のブランド力や待遇だけでなく、自身のキャリアパスや企業の存続可能性についても意識が高まっています。これにより、学業の段階から自分の社会的役割を考え、より主体的にキャリアを形成していく若者が増加することが期待されます。
企業の取り組みが必要
セレクションアンドバリエーションは、企業が採用や定着を成功させるためには、まず自社の離職率を理解することがカギだと述べています。また、採用時には求める人材に合致した候補者を選定するのはもちろん、入社後のフォローも必須です。
具体的には、企業が明確なキャリアパスを示すことで、新入社員の成長を促し、モチベーションを高め、長期的に活躍する人材を育てることが可能です。
まとめ
今回の調査を通じて、新規学卒者の離職状況は比較的安定しているものの、今後は転職活動が早まる可能性が高いことが浮き彫りになりました。企業はこの動向を理解し、早期離職を未然に防ぐための施策を講じることが求められています。これからの労働市場は、有望な人材をどのように吸引し、育成し、維持するかが成功の鍵となるでしょう。
詳しい調査結果は、公式ウェブサイトで確認できますので、興味のある方は是非ご覧ください。