高齢者施設入居の実態:あいらいふ白書が明らかにした課題
株式会社ザップが運営する「あいらいふ入居相談室」は、2013年の入居相談データに基づいた「あいらいふ白書」を発行しました。この白書は、高齢者施設入居を検討する人々の現状や課題を浮き彫りにした貴重な資料です。
認知症と寝たきりの増加
白書によると、相談件数の約半数が認知症に関するものでした。さらに、寝たきり状態の高齢者の相談は約4分の1以上を占めており、高齢化社会における深刻な問題が改めて示されました。相談者の多くは、入居を検討する高齢者の実子で、病院のソーシャルワーカーやケアマネージャーからの相談も少なくありませんでした。
生活介助の必要性
生活介助においては、食事は半数以上の人が自立していましたが、歩行やトイレ、入浴に関しては、それぞれ約2割、4割以上の人が何らかの介助を必要としています。この結果は、高齢者の自立支援の必要性を示唆するものです。
疾患別状況
入居対象者の疾患では、脳梗塞、がん、高血圧、糖尿病、肺炎が上位を占めました。これらの疾患は高齢者に多く見られるものであり、介護施設入居を考える際に考慮すべき重要な要素と言えます。
入居までの流れと費用
入居決定までの期間は、相談から半月から2ヶ月以内が7~8割を占めました。また、初期相談段階では、具体的な費用に関する情報を提示していないケースも多くありました。
東京23区の集中
相談者の居住地は、東京23区が58%と最も多く、地域格差も課題の一つとして浮き彫りになりました。病院からの紹介が半数を占めるなど、医療機関との連携の重要性も示唆されています。
まとめ
「あいらいふ白書」は、高齢者施設入居を検討する人々が直面する現実を明らかにしました。認知症や寝たきりの増加、生活介助の必要性、主要な疾患、入居までの期間など、様々なデータが示されたことで、高齢者介護の現状と課題が明確になりました。この白書が、高齢者とその家族、そして介護事業者にとって、今後のより良い高齢者介護のあり方を考えるための重要な資料となるでしょう。今後、定期的な発表が予定されているとのことなので、今後の動向にも注目が必要です。
あいらいふ白書へのアクセス
あいらいふ白書の詳細は、下記ウェブサイトをご参照ください。
http://soudan.i-life.net/asset/20140404_release_report.pdf
※データのご利用の際は、必ず「『あいらいふ白書』より」と明記ください。