近年、看護師の労働環境に対する関心が高まりつつあります。特に、長時間勤務や過重労働、精神的・肉体的な負担が問題視され、看護師の離職率や職場の人手不足は深刻な課題となっています。コロナ禍を経てさらに、その実態が注目を集めています。
2024年10月に実施された調査によれば、看護師の約60%が「業務量が多すぎる」と感じています。この調査は、看護師の労働状況を把握するために行われたもので、サービス残業や勤務時間、有給休暇の取得状況、職場の満足度についても多岐にわたって回答を求められました。
まず、業務量に関する問いでは、59%が現在の職場の業務量が「多すぎる」と回答しました。これに対し「適切な業務量」と感じている看護師は35%にとどまり、この数字は看護職の過重労働が根深いことを示唆しています。また、約30%の看護師は「サービス残業がある」とのこと。残業時間は「1時間以上5時間未満」が最多で、「10時間以上20時間未満」という回答も18%を占めました。
勤務間のインターバルについても、日看協のガイドラインである「11時間以上空ける」という基準が順守されていないことが明らかに。20%の看護師がこのインターバルを確保できていないと答えています。さらに1ヶ月あたり「9回以上の夜勤」をこなしている看護師も8%という調査結果が出ました。このような厳しい労働条件が、看護師のメンタルやフィジカルの健康に影響を与えています。
有給休暇の取得状況についても、調査結果は厳しい現実を映し出しています。年間の取得日数が「6~10日」の看護師が43%と最多でしたが、5日以上の取得が義務化されてからも、11%の人がこの基準を満たしていないと回答。その一方で、有給休暇が「取りやすい」と感じている看護師は35%のみで、多くの人が有給取得に対して厳しい状況に置かれていることがわかります。
さらに、看護師の職場環境には不正解雇の問題も存在しています。調査によると、21%の看護師が職場での不当解雇を目撃しているか、自ら経験したことがあると回答しています。この中には、業務上のミスを責められた結果としての解雇や、育休復帰後に異動を迫られたケースなども含まれています。
職場への不満の多くは、業務量の偏りや不公平感、サービス残業の存在に集約されています。特に、看護師の間では「仕事の分担が不公平」「残業が多い割に手当が出ない」との声が多く寄せられています。
このような調査結果を受けて、株式会社SOKKINは、看護師がより良い職場環境で働くことができるよう、業界への働きかけを続けていく姿勢を見せています。今後も看護師が安心して働ける環境づくりに取り組んでいく必要があります。
今回の調査は、看護師の労働環境が未だ改善されていないことを示すものであり、業界全体で取り組むべき課題が山積していることが浮き彫りになりました。看護師にとって、安全で快適な職場は必須です。今後の改善に期待する声が高まっています。