デジタルとアナログの融合
絵本の制作は、ペンや鉛筆、さらにはデジタルツールによって新たな広がりを見せています。特に最近では、デジタルツールが絵本制作において重要な役割を果たすようになっており、絵本作家たちの創作スタイルも多様化しています。今回は、そんな新しい風を感じさせる絵本作家二人のインタビューを通して、デジタルとアナログが交わる絵本制作のリアルを探っていきます。
1. 媒体の自由さ
絵本にはさまざまな画材が用いられています。色鉛筆や絵具、また切り絵の技法や布地を使うことによって、多様な表現が可能になるのです。特に、まつながもえさんとながしまひろみさんの二人の作家は、それぞれのアプローチでデジタルツールを巧みに活用し、すばらしい作品を生み出しています。
まつながもえさんはデジタル描画を専ら使用しており、そのスタイルが見る人を楽しませると思わせる作品に結びついています。彼女は、デジタルツールの特性を最大限に生かし、インスピレーションを日常の中から探し出すことを大切にしています。また、彼女の最新作『こけしぞろぞろ』は、そのクオリティの高さから注目を集めています。デジタル描画を利用することで、まつながさんはどこでも作業を進めることができるといい、彼女にとってはこのツールが大きな支えになっています。
一方で、ながしまひろみさんは、日常の思い出から描くことをモットーにしており、「絵本らしい」とかまえてしまうと手が止まってしまうことがあると語ります。しかし、子どもの頃の思いを表現することで、自由に創作できるようになったのだそうです。彼女の作品にはその素朴さが魅力となっており、子育ての悩みなどに寄り添った内容が支持されています。
2. あたらしい絵本大賞の魅力
「読者と選ぶあたらしい絵本大賞」は、意義深いコンテストです。これは読者が自身の需要に応じた絵本を選ぶことができる機会を提供し、特に子育てに関連したテーマを扱った絵本も歓迎されています。このような新しい試みが、今の絵本の世界に新しい風を吹き込んでいるのです。応募過程を通じて多くの人が参加し、作品を育てる瞬間を感じられることもこの賞の魅力の一つです。
3. デジタルツールの存在
特に注目すべきは、CLIP STUDIO PAINTの存在です。このデジタル作画ツールは、絵本作家だけでなく、イラストやマンガ制作の愛用者からも支持を集めています。こうしたツールを利用することで、より多くのクリエイターが自由に表現できる環境が整いました。たとえば、まつながさんはそのツールで制作を進めるうえで、カフェでも快適に作業を行うことができると語ります。
さらに、絵本大賞に協賛するCLIP STUDIO PAINTでは、作画ツールの配布を再開しており、先着200名に配布しています。このような取り組みは、絵本制作を目指す多くの人々にとって、大きなチャンスとなるでしょう。
4. 終わりに
このように、デジタルとアナログが融合した絵本制作の世界は、今新たな展開を迎えています。まつながもえさん、ながしまひろみさんのような才能ある作家たちが、果敢に挑戦を続けることで、絵本の未来もさらに明るいものになるでしょう。これからの絵本制作がどのように進化していくのか、非常に楽しみです。絵本に興味がある方は、ぜひこの新しい潮流を追いかけてみてください。