物流改革がもたらす効率化
近年、EC市場の拡大に伴い、送料無料や翌日配送が広がっていますが、実際に顧客が本当に急ぎの注文をしている割合は意外にも低いことが判明しました。神奈川県の有限会社奥山製作所はこの現実を受け、配送システムの見直しに乗り出しました。
1. 現在の配送の状況とその課題
同社は以前、自社のドライバーによって配送業務を行っていました。しかし、ドライバー不足という深刻な問題がこの業界に波及し、労働者の確保が難しくなりました。配送の優先順位をつけることが求められる中で、ドライバーたちは常に「こちらの配達を優先すれば、あちらが遅れる」といったプレッシャーに悩まされていました。
2. 新発見とその発想の転換
ある時、納期の確認を徹底的に行った結果、実際に急いでいる案件は全体の10%未満であることが判明しました。「急ぎは1割。これは仕組みで対応できるのではないか?」という新しい考えが生まれたのです。この気づきが新たな物流システムの基礎となりました。
3. 解決策としての外部インフラの活用
注文配送の見直しを行い、外部インフラである「ゆうパック便」を活用することにしました。具体的には、急ぎの依頼に対しては自社配達を、その他の依頼には定期配送や郵送を用いる形です。さらに、納期確認の徹底により、顧客の真の希望への対応力を高めるよう改めて体制を整えました。これにより、業務の効率化とともに配達の精度も向上したのです。
4. 実際の成果
この取り組みにより、月間配送コストが約82%削減されるという結果が得られました。:{
- - 以前のコスト: 492,602円(人件費・ガソリン代・高速代)
- - 現在のコスト: 87,074円(送料・ガソリン代・高速代)
}
また、自社配送対象も133件から40件に絞り込み、より効率的な業務が実現しました。これにより、運転の負担が軽減され、CO2排出量の削減にも貢献。他には、毎週金曜日を事務作業に充てることで、新たな挑戦や情報発信に時間を使えるようにしています。
5. 代表のメッセージ
奥山製作所の中島剛代表は、「自社配送が常に正義だとは限らない」と語ります。過去の慣習に囚われず、現実に即した柔軟な対応が求められる時代。他の中小企業と同様に人手不足の問題に直面する中で、『やらない理由より、やる理由』に目を向け企業の進化を図ることが重要であると考えています。
「外部インフラを上手く活用することが、今後の新たな常識になると信じています」と強調する中島代表。このようにして奥山製作所は、顧客満足度の向上を目指し、物流改革という大きな挑戦を続けているのです。
会社情報
- - 社名: 有限会社 奥山製作所
- - 所在地: 神奈川県横浜市南区前里町2丁目46 ポートハイム前里町101
- - 代表者: 中島剛
- - 事業内容: ネジ・ボルトの小売・卸、在庫管理支援サービス
- - 企業理念: 未来創造
- - ホームページ: 奥山製作所
- - Instagram: @okuyama2023
- - note: 社長の発信
お問い合わせ
有限会社 奥山製作所 担当: 天野 あゆみ
TEL: 045-231-0423
Mail:
[email protected]